ウラPlay News  〜言いたい放題観劇雑記帳〜
このページはオイラの個人的な覚え書きであって某情報誌とは一切関係ありません。また芝居の感想についてはその日の体調や個人的感情によって著しく左右されております。間違っても劇評なんて高尚なモノを書いてるつもりは毛頭ございませんのでご了承下さい。

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もっと昔のヤツ
reviews

Date:2001.7.31.
▼ 東宝ミュージカル「風と共に去りぬ」@帝劇を見てきた……舞台をひっくり返したくなってしまった方の気持ちがよくわかった。なんつーか、一言で感想をいうと「何じゃこりゃぁぁ!」(松田優作風味)。あまりにあんまりな「風共」なので、別の意味で笑ったけど。

なにせ、ツッコミどころがありすぎる。なんといっても、まるでルパン三世な話し方をするレット・バトラーには参った。「スカーレット」は「スカ〜〜はははレット〜〜」だし(不〜〜うぅ二子ちゃ〜〜ん、と同じ口調)、「もう、」は「も〜〜ほほほう、」だし。よぉく見ると腰のアタリで手をひらひらさせながらペンギン歩きしてるし……そんなバトラーはイヤ……(涙)。つーか、あの原作の悪党っぷりが好きなのに! こんな男に惚れたら絶対に不幸になると解っていながら惹かれずにはいられない、そんな魅力的な男性でなきゃいけないのに! しかも山口祐一郎がキャスティングされたのなら、あの素敵なバリトンボイスで「スカーレット……」って囁いて欲しいじゃない! それがなんでルパン三世なのよ!(号泣)軽すぎるんだよ話し方が! ああもう!

……なんとか気を取り直してアシュレ(今井清隆)を見てみると……オペラグラスで2階席から見ただけなのでなんとも言えないのだが。微妙〜に小太り&くっきりアイラインメイクのその顔が誰かに似ているのだ。誰だっけ、誰だっけ……あっっっ、わかった、新感線の逆木圭一郎さんだ! そう思った瞬間、本来ならたくましいというよりは華奢で文化系なイメージのアシュレのはずが「砥石を担いでひたすら刀を研ぐ伝説の刀鍛冶」とか「なんかしらんがやたらとクサいお師匠さま」とかに見えてしまって……もう、台無し!(涙)

それだけならまだしも……ラストで「自分をみつめ直したい」などと言って旅に出るバトラー……「いい歳ぶっこいて自分探しか! お前は80年代小劇場の残党か!」というツッコミでカーテンコールの間じゅう本気で笑いが止まらなかった(実話)。あぁ。

ほかにもツッコむべき箇所は山ほどあるのだが……作品全体でいうと
・ホンがまずダメ。スカーレットとバトラーがシーンごとに違うキャラになってる。ふたりの感情の動きがまるで伝わってこない。
・つーか、どうみてもスカーレットはアシュレに惚れてるようには見えない。
・あまり耳に残る歌がない。
・ダンスもほとんどない。振付家ほぼ不在。
・アンサンブルが大勢いるわりには全然効果的に使われてない。つーか、歌とダンスを省いてもこの作品に影響ないんじゃ?。
・アトランタ炎上のシーンだけ(見せ場なのは解るが)やたら火薬つかったりして長い。こういうシーンこそ壮大かつ悲壮感を煽る曲を付けて欲しいのに。
……などと思わず箇条書きで乱暴に感想を書いてしまうほど、ダメダメな内容でした。

まぁ強いていいとこを上げるならメラニーの杜けあきさんは良かったかな。まぁメラニーのイメージよりかなり健康的なんだけど。ひとりでしっかりと生きて行けそうなメラニーだったし。

……しかしここまでツッコミがいがあると、話のネタとしては充分に面白かったりして。この舞台を肴に酒が1時間は飲めますわ。はい。



Date:2001.7.27.
▼ グローブ座カンパニーの子供のためのシェイクスピア「リチャード二世」を見に行く。このシリーズは結構好きなんだけど、やっぱりマイナーな演目を上演するときはちょっと退屈だったりもする。今回はちょっと話も分かりづらいし退屈する部分があった。「リア王」とかメジャーな作品の時は面白いんだけどなぁ。シェイクスピアも、やっぱり人気のある作品は単純にストーリーが面白いんだろうなぁなんて思ったりする。ほんとコレ見て子供たちはどれだけ理解しているのだか……謎。

まぁそれはそれとして、ハンドクラップや歩き方なんかの演出はもはや様式化されたといってもいい感じで洗練されてきてる。人形の使い方なんかも工夫されてるし。2回目にこのシリーズを見たときは「なんだ、同じ演出じゃん!」と思って正直がっかりしたのだけど、ここまで同じ演出を違う演目で使い回していくと様式になっていくんだなぁ、なんておもったりした。あの「タタンタンタタン」っていうハンドクラップ聞くと嬉しくなっちゃうもんね。来年は「ヴェニスの商人」らしいので、きっと面白くなるでしょう! 楽しみ。



Date:2001.7.24.
▼ カムカムミニキーナ「サイエンス・ジャンボ・ヨーグルト」を見に行く。うーん、なんかドタバタした感じの印象。あえてごちゃごちゃした感じに演出したかったんだろうけど、なんだか「見づらいなぁ」という絵になっていたのが残念。音楽の使い方とかも映画の「メトロポリス」の影響が感じられるような気がしたのだけど、気のせい?まぁ過去数作にくらべると客演陣にあまりたよらず劇団員をちゃんと見せようとしたという点で良かったとは思うのだけど。どうも物語としては正直ぴんと来ませんでした。



Date:2001.7.26.
▼ ゴキブリコンビナート「報復ファンタジア」を見に行く。今回はちゃんと座って見られたし、移動舞台が迫ってきたり崩れ落ちそうなセットの下で命の危険を感じることもなかった。まぁ辛かったのは酢とか豚の糞とか臓物の匂いがキツかったことか……。今回もまた前回に引き続き生きた豚が出てくるのだけど、まぁずいぶん扱いにも慣れた感じで、豚も舞台の隅でおとなしくたたずんでおりました。ずいぶん長い間放尿していたりするので芝居よりもそっちが気になって仕方なかったけど。あと豚に69を強要するシーンでは豚の悲鳴が可哀想でちょっといたたまれませんでした。はぁ。

話の内容にちょっと触れると、今回は「学園モノ」。農業高校を舞台に、養豚科の学生が酪農科にいじめられるというとっても解りやすい設定なので、「過剰な被害妄想」感のある今までの公演にくらべると、ちょっとだけリアリティがあったりする。私は今までの過剰な被害妄想意識に犯された作風のほうがオリジナリティがあると思っていたので、今回の作品はややマイルドな気がして残念。



Date:2001.7.22.
▼ 昼、演劇弁当猫ニャーを見に行く。一本モノの芝居でなくコント集だったので、どんどん物語から脱線していくあのでたらめさはなかった。ラストの"野グソについて熱く語る討論会"は面白かったけれど、それ以外のネタはいまひとつ不満。やっぱり小村裕次郎氏の不在は大きいのか……。役者がみんな池谷のぶえさんくらいに巧ければいいのだけど。ちょっと物足りない感じでした。

▼夜、TSミュージカルファンデーション「天翔ける風に」を見に行く。あまり期待はしていなかったのだけど意外に面白かった。NODA・MAPの「贋作・罪と罰」をミュージカル化しているのだが、意外と野田ワールドはミュージカルに向いているんじゃなかろうか。野田版のほうが良かったなぁと思うシーンもあるけれど、こっちの方が野田版よりいいなぁと思うシーンもあったりして、なかなか甲乙つけがたいものがあった。

良かった点としては、野田版の良い台詞なんかをきちんと残して印象深くミュージカル化していた点かな。言葉遊びが散乱する野田版よりも、厳選してるぶんイイ台詞が印象に残りやすいような気がした。それからアンサンブルの志士が踊るシーンなんかも、さすが演出家が振付家を兼ねてるだけあって見応えがある。袴の動きなんかも美しくてさすが宝塚の人はこういう見せ方が巧いなーなんて思ったりね。主人公の香寿たつきさんも凛々しくて役にハマってたな。欲を言えばもう少し若ければ良かったんだけど。大竹しのぶよりも良いかも、と思ったシーンもいくつかあったりして。殺陣のシーンもかっこよかったしね。

残念な点としては、もうちょっと印象に残りやすい曲があるといいなぁという点。オケもカーテンコールまで出てこないので、てっきり録音済みの音源かと思ってました。それから「罪と罰」で重要な要素の「殺人を犯した後の主人公の葛藤」があまり印象に残らず、幕末の事件をメインに筋立てしてしまったのも残念。確かに内面的な葛藤って表現しにくいところではあるけれど、そういう想いこそ歌にしてソロナンバーにしちゃえば良いんじゃないのかなぁ、と思った。まあでもこの規模の作品としては十分満足行く内容でした。はい。



Date:2001.7.21.
▼ 猫のホテル「イメチェン」を見に行く。土建屋から成り上がって政治家になった男とその愛人の物語。相変わらずの濃いーキャラクターたちが面白い。でも今回はその濃さよりもむしろストーリーをきっちり見せた感じかな。わかりやすいし見やすかったのだけど、前半を丁寧につくりこみすぎて後半の展開がナレーションで処理される部分が多かったのが残念。前半はもうちょっとサラリと流して、どんどん深みにハマっていく様をもうちょっと作り込んで欲しかった気もする。大人計画の猫背椿が猫ホテの濃いメンツの中に見事にとけ込んでいたのが印象的。



Date:2001.7.20.
▼ 奈良県室生まで行って維新派見てきました。いやもう感動……まだ7月ですがあっさりと今年のベスト1芝居が決まってしまいました。そんなわけで奈良までの道のりを含めて感想など。

朝の6:40に家を出て、7:00に連れのK嬢と新宿駅で待ち合わせ。青春18きっぷで鈍行を乗り継ぎ乗り継ぎ、本読んだりCD聞いたり昼寝したりしながら西へ。午後2:00頃に名古屋着。きしめんと味噌カツを食べてから今度は近鉄の急行を乗り継いで奈良へ。日も傾きかけた6:00前、室生口大野着。見事になにもない。駅で帰りの電車のきっぷを買ってから、劇団のヒトから地図を受け取って会場へ。だいぶ涼しくなってきてはいるものの、延々と続く坂道を登っていると汗がだらだらと……。途中、蝉の声やら川のせせらぎやら自然の音に囲まれてるので「あぁ懐かしい日本の夏だなぁ」なんて思ったりして。要所要所に現れる立て看板の「あと10分」とか「六根清浄」とかの字に励まされながら徒歩25分。6:30の開場時間にようやく室生村総合運動公演内健民グラウンドにたどり着く。するとグラウンドに見えるのはたくさんのひまわりの花。もちろん作り物なんだけど、なんかコレ見た瞬間にもう「あぁ来てよかった」なんて思ったりしてね。(この辺はデジカメ写真撮ってあるのであとでアップします)

客席から見ると、舞台のグラウンドは山にぐるりと囲まれたひまわり畑。両サイドなんて視界からはみ出すような広さだ。最初は空を雲がやや覆っていたけれど、開演が近づくにつれてその雲もどこかへ行ってしまった。やや薄暗いながらもまだライトなしでも十分明るい程度の7:00PM、開演。役者はみな白塗りで、ランニングシャツに半ズボンや丈の短いワンピースの子供服風。そんな風貌のたくさんの役者たちが、グラウンドを横切るように走り、ひまわりのかげに隠れる。舞台奥のほうにいる役者なんか、ものすごく小さく見えるんだな。通常の芝居ではあり得ない奥行きと広さの舞台。そして子供たちはひまわりの後ろから出たり、その場に倒れたり。そしてひとりひとりひまわりを地面から引き抜いて、横に走っていき、グラウンドに広い空間を作る。なんかもうね、その「ひまわりをかついで横に走っていく子供」っていう絵だけで「くぅー」とか思っちゃうのさ。

舞台は(たぶん)第二次世界大戦中の日本のどこか。
走るとすぐに息が切れてしまう病弱な少女、なずなが主人公。なずなには"ぶす"のあすか(なずなはそう呼んでるけど一番可愛い)、"ちび"のやよいというふたりの友達がいて。なずなは高慢で生意気なのに、ふたりはそれでも彼女の言うことを聞いてあげて、一緒に遊んでるわけだ。
ちょうちょを育てたり、しりとりをしたり、ラグビーごっこをしたり。一緒にラグビーをして遊んだ少年たちの「誰が好き?」みたいな話をしたり。だけど、次第に体を蝕まれていくなずな。彼女の願望なのか、「もうひとりのなずな」の姿が時々見えて、その「もうひとり」は元気に走り回っている。
そして、終戦前夜。ベッドで苦しむなずな、それを見守るあすかとやよい。一緒にあそんだ少年たちは特攻隊となって遠くへ行ってしまう。その少年たちを追いかけて懸命に走っていく「もうひとり」のなずな……。

とまぁざっくりそんな内容なんだけど、もうどのシーンを切り取っても見事に絵になってるんだな。顔が見えるくらいの距離の舞台手前ではしゃぐ少女たちとか、その向こうの顔も見えないくらい遠くのほうで、ゆっくりゆっくり動いている郵便配達の少年とか、日傘をさした婦人とか、青いワンピースの女の子たちとか……どのシーンも懐かしいにおいのする絵のよう。開演してからずっと、もう鳥肌立ちっぱなしでした。自分が息をしているのも忘れるくらい舞台に見入ってしまったね。

舞台をストライプ上に照らすライティングとか、本当に雨が降ってるんじゃないかと思うほどの音響とか(たぶん客席後方にもスピーカーが仕込んであったと思われる)、野外という悪条件なのにあそこまで完成度の高いスタッフワークが見られるなんて驚き。途中、ふっと突然ライトが消えて完全に暗転する瞬間なんかは、思わず声を上げてしまいそうになるくらいびっくりした。ナイター用のライトとか使ってるから、まさか暗転するなんて思わなかったんだよね。今でもあの瞬間を思い出すと鳥肌が立ちますわ。その後で今度は溶暗していくシーンがあるんだけど、その時は目が慣れてるから空いっぱいに広がる星とか山の影とかが見えるのだ。これがまたキレイなんだな。他にも照明が少ないシーンなんかはそこに虫が集まって飛び回ってるのがはっきり見えるんだけど、それすら狙った演出なんじゃないかと思うくらいだったなぁ。

終盤、飛行機に乗って特攻隊となって遠ざかっていく少年たちをおいかけて、もうひとりの健康ななずなが「体当たりするのはラグビーちゃうんか!」と怒ったように叫びながら一生懸命走っていくシーンがあるんだけど、もうそこで涙。ほんとこのシーンは思いだし泣きできます。本当にもう、可愛らしくて、懐かしくて、切なくて、哀しくて、美しい舞台でした。見に行って良かった……(ため息)。

舞台見てる間はもう一心に見入ってたのでそんなに泣かなかったのだが、帰りの名古屋に向かう電車の中でひたすら思いだし泣きしてました。なんかもうあぁせつねえええっっとか、雄吉リスペクト! とか、オリンピックの開会式は某浅蜊先生じゃなく松本雄吉にやらせるべき! なんて連れと一緒に泣きながら帰ってきました。ふう、満足……



Date:2001.7.19.
▼ ONEOR8「一夏二夏」を見に行く。この劇団は初見。マンション(アパート?)の一室を舞台にした夏らしいオムニバス。ダイエットにはげむ女ふたりとか、兄のところに結婚を報告に来た妹とか、別れて引っ越そうとしている同棲していた恋人同士とか、作家の助手とそれにちょっと想いを寄せている風の作家の娘とか、バリエーションに富んだ設定で何気ない日常を心地よく描いてる。季節感やユーモアもあり、適度な余韻を残しつつ丁寧に作った会話劇が好印象な作品でした。役者陣もいやみのない丁寧な演技をしているし、全体的に若そうな感じなのにヘタなヒトもいないし。一作みた限りでは作風・役者陣にこれといった強い特徴はないものの、劇団全体が真摯で真面目に芝居づくりに取り組んでいるのが伝わってくる、そんな印象でした。一本モノの芝居も見てみたいと思います。



Date:2001.7.18.
▼ ポツドール「メイク・ラブ」初日を見に行く。セットはリアルにつくりこんだラブホテルの一室。4組のカップルがそこでどう行動していくか……というのをリアルに描写、といった感じ。脱いで抱き合ってベタベタするカップルもいれば、すったもんだの言い合い末になにもせず帰っちゃうカップルもいて……4組がそれぞれ取る行動の大筋は毎回同じらしいけど、その会話の内容なんかは脚本はなく毎日違ってるらしい。

感想としては、前回公演があまりにも衝撃的すぎる内容だったので、それに比べるとやはりインパクトは薄い。前回と今回の公演の順番を逆にすれば良かったのかなぁと思ったり。他の誰もやってないジャンルの芝居をやってるという意味では十分オリジナリティはあるし面白いと思うのだけどね。出演してるのが10代後半〜20代前半の役者たちなので、台詞の内容やそこに見え隠れする素顔が、やっぱり若いし、青い。20代後半のもうすっかりヨゴレてしまったお姉さんにはちょっと物足りないのよ。もう少し年上の世代の役者をつれてくるとか、一人や二人鬼畜系の人がいても良かったんじゃないかなぁと思ったり。あとどうせこの設定なら、ヘタに「セミドキュメント」にするよりは、キャラクター設定とか状況をがっちり作り込んだほうが面白かったんじゃないかなぁとも思った。みんなフツーの若者なんだもの。一組くらい性的嗜好が一般とズレてる人たちがいてもいいんじゃないかなー、とかね。



Date:2001.7.17.
▼ 奇跡的に仕事が早く片づいたので歌舞伎座の夜の部「楼門五三桐」を見に行く。三階席が売り切れていたので4階一幕見席を三部分一気にまとめ買い。まぁ別に好きな役者が出てるわけでもないので遠くからで十分なんだけど。序幕は装置が派手だったり「絶景かな絶景かな」のキメ台詞があったりして、まぁ見所は多いかな。二幕目は地味な内容でやや寝。大詰は立ち回りがあったり宙乗りがあったりとまぁまぁ飽きない内容。でも立ち回りはのたーーくたーーとしているので、やっぱりちょっと飽きる。宙乗りはやっぱり下から見上げたほうが楽しいんだろうなぁ、と始まる前は思っていたけれど、あんなに遠い舞台で動いていた役者が突然同じ目の高さにやってくると、つい条件反射で喜んでしまったりして。まぁでもこの内容で4時間半はやっぱなげえなぁ。歌舞伎初心者には幕見席で十分といえば十分な内容だった。



Date:2001.7.16.
▼ 五反田団「夢のような鬼」を見に行く。この劇団は初見。なんか、テーマやポリシーのない青年団がゴドー待ちをやってる感じ(本当か?)。何にもないところに新聞紙だけ無造作に敷いてあって、ペットボトルとかが乱雑においてあるような、なんともやる気のなさそうな金のかかってない装置。そんでもっていかにも日常な会話が展開したりして。でも会話のウラにあるものを行間で表現するようなタイプではなく、ひたすらどうでもいいこと(カレーの作り方とか)を話していたり。でも微妙にトゲトゲした瞬間とかも丁寧に演出されていたりするので、なんか奇妙なおもしろさを持つ劇団ではあった。全体的に飽きずに観ていられる内容ではあるのだけど、でも大声で人に「面白いよーっ」と薦めるような内容でもなく良い意味でひたすら地味な劇団でございました。



Date:2001.7.15.
▼ 今日は歌舞伎座昼の部と毛皮族のハシゴ。謎の組み合わせだ。まず昼の歌舞伎座は「連獅子」を一度ちゃんと観ておこうと思って勉強がてら見に行ったのだが、「続篇華果西遊記」がまるでプチスーパー歌舞伎といった感じでなかなか面白かった。中国雑技団のひとから新・三国志IIの時に教わったという棒術のシーンがあったり、美術や衣装も全体的に華やかな感じだったり、転換も素早かったりしてなかなか派手な演目。途中、炎を雪で沈めるシーンなんかはキメでドカ雪が落ちてきたりするので思わずコクーン歌舞伎を思い出してしまったりね。あと孫悟空が自分の毛を抜いて分身を増やすシーンで、数十人で出てくる分身が、みんな子役! 猿の格好をした子供たちがかわいい声で「うっきゃっきゃー」とか言うので、「よ、弱そう!」と呟かずにはいられなかったり。どうでもいいが孫悟空が酔っぱらったあとに目をさますシーンで「おっはー」と慎吾ママのマネをしたのには目が点になった。だって歌舞伎座だよー? あれはアリなの?
あと「俊寛」では猿之介さんのかすれ気味の声が、どーにもこーにも「日本むかし話」の常田富士男の声にしか聞こえなくて困った。今にも「むかーしむかし、あるところに……×××じゃったーーー」と語りはじめそうな気がして。いいんだけど。「連獅子」はラストの髪の毛つかんでぶんぶん振り回すとこしか知らなかったが、ああいう内容だったのかと今更納得。イヤホンガイドを使いたのでいろいろ蘊蓄が聞けて面白かった。あと、舞台上で何のきっかけもないのに時々客席が微妙にウケてる時があるのは、イヤホンガイドのせいだったのだと納得した。

さて終演後、8月歌舞伎の発売日だったことを思い出してあわてて電話。やった! 野田版「研辰の討たれ」の千秋楽が取れたよーー! 二等席だけど。ラッキー。

▼お茶飲んで一休みしてから神楽坂へ。毛皮族の3回目の公演を見に行く。相変わらずストーリーやつじつまなど無視して暴走する、しっちゃかめっちゃかな展開がすばらしい。普通、いまどきの若い子がアングラっぽいことやると表層を真似ただけの「私ってちょっと変わってるっていわれるのー」みたいな自称「不思議少女」な状態になってしまうのだけど、この劇団は別。主宰の江本さんには時代を間違えて生まれてきてしまったようなアングラ魂を感じるんだよなぁ。男優陣がいまひとつ弱いのが気になるけど、女優陣は公演を重ねるたびに良くなってる気がする。ストーリーを求めちゃう人には勧められないけど、私は面白かったなぁ。満足満足。



Date:2001.7.12.
▼ サードステージのshowcaseシリーズ、「ペーパーマリッジ」を見に行く。いろいろと細部でツッコミたいところはあるものの、基本的に良くできた脚本だった。役者の演技トーンもややオーバー気味なのがちょっと気にならないでもないけれど、まぁ許容範囲か。ゲイで余所に男のいる夫と偽装結婚した妻、出会い系サイトで出会った男に会うために状況してきた妻の母、結婚をためらっている妻の妹、そんな4人がそれぞれの立場を思いやったり、あるいは自分の意志を通そうとしてギクシャクしてしまう……そんな物語。中谷まゆみの脚本といえば前作「ビューティフル・サンデイ」もやっぱりゲイの物語だったのでそのゲイのカップルの描き方が今回も微妙に気になったりした。あくまで女性の視点で描いたゲイ、って感じで踏み込みが甘いんだな。そのかわり、姉妹や親子であけすけにセックスの話をしてしまうあたりはイイ意味で女の視点が生きていたけど。あれは男には書けないだろうと思ったし。それ以外にも気になるところと言えば、妻は本当にゲイの夫とセックスレスな関係のままでいいのか?ってあたりに何の答えも出ていなかったし。ゲイの夫も妻を愛してはいるものの、でも体は男しか受け付けないって前提だし今後どうするわけ? という疑問は残ったりした。でもなんだかんだ言って面白かったし、終盤でちょっと泣けたりしたし、なんといってもひとしきり真剣なやりとりがあった直後に(前半にさんざん伏線を張っておいた)ドアノブをはずすギャグで笑いを呼ぶあたりはウマイ!と思ったし。今後に期待したい脚本家だと思いました。

それにしても木野花を「携帯の出会い系サイトで知り合った男に会いに来るバツイチの母」に設定するのは、反則だよなぁ。似合いすぎるもの。



Date:2001.7.11.
▼ 音楽劇「三文オペラ」を見に行く。もう……別にいいんだけどさ、舞台後方の搬入口を見せる演出には飽きたよ、蜷川さん……。もうさんざんやり尽くした演出なのに……セルフパロディか? 話自体はそれほどつまらないとは思わないのだけど、演出のせいでひどく冗長で退屈なものになってる気がした。もうちょっと空間の埋めかたがあるんじゃないのかなぁ。舞台美術とかもいまひとつだし……まぁ俗悪さを狙っているのだろうというのは解るんだけど、それでもセンスがないしなぁ。クルト・ワイルの曲もそれ自体悪くはないと思うんだけど、どーにもこーにもオケの音響が悪くていまひとつ耳に心地よくなかったなぁ。そういえば役者のせりふも全体的にききとりづらかったし。なんか芝居以前にそうゆう問題でノレなかった気が。(もしかして音が悪いのは後ろ開けてるせいじゃないのか?)中盤以降はまだ観てられなくもなかったけど、前半のスカスカ加減でもうすっかりツカミで外してしまった感じ。あの一幕の無駄な長さでは上演時間3時間15分がひたすら長いとしか感じないんだよなぁ。あぁ。ミュージカルじゃないんだからと言われてしまうとそれまでだけど、歌の間みんな棒立ちなのも気になるし。別に歌い手自身が踊れとはいわないけど、後ろでアンサンブルを踊らせてもいいんじゃないのかなぁ? なんていろいろ演出を考えながら観てしまった。なんか、串田和美さんの演出で観たかったなぁ、なんて思ってしまった。

まぁそれはおいといて、マクヒスを演じた鹿賀丈史氏にちょっと惚れたなぁ。前半のモテ男っぷりもまた素敵なのだが、牢獄に入れられてヤサグレてる感じもまた素敵なのだ。襟元はだけてだらしないところが、もう……(うっとり)。一つ一つの何気ない仕草が絵になってて、立ち姿もカッコイイし。歌ってる鹿賀さんて実ははじめて観たんだが、「さすが!」って感じでした。茂森あゆみ嬢も、がんばってるし良いところもあるんだけど、もう一歩! って感じだった。



Date:2001.7.10.
▼ スズキビリーバーズ「マシーン日記」を見に行く。スズナリでの初演、全国ツアー版のかめありリリオホールの再演と観ているので、この作品を観るのは今回で3回目。上演を重ねるごとにライトで見やすい作品になっていく気がする。初演の時はなんとも飲み込みにくい壮絶な物語だった気がするのだけど。狭いプレハブの閉塞感に輪をかけて熱帯夜の不快感が次第に増していき、それまで蓄積されていった耐え難い抑圧がラストで一気にゆがんだ形で昇華される……初演は、そんな印象だったのだ。なんかもう見終わった後に拒否反応でいっぱいになるような物語だったのだけど。それが会場も大きくなって天井も高くなると、息苦しいような閉塞感が薄れるんだな。まぁ、そのぶん見やすいし笑いやすくなってて良いんだけど。

キャスト、宝生舞嬢は正直最初は「えーっ?」って思うくらいダメダメな気がしたのだけど、なんだか時々えらくイイ表情をする瞬間もあった。この子ホントにいじめられてたんじゃないかって思うようなジトーーッとした顔するんだよね。そういうテンションがずっと続いてれば良かったんだけど。
弟役は、初演の有薗氏のほうがダメ男感が強くって役にはハマっていたけれど、阿部サダヲ氏の見事なキレっぷりが久々に拝めてそれはそれで良かった。いい演技するなぁ。
片桐はいり&松尾スズキコンビについては、もう、言うことなし。完璧。



Date:2001.7.9.
▼ この夏はやたらと関西遠征するハメになってしまった。計3回。まず初回は来週、奈良の維新派公演へ。もしかしたら18きっぷ使って安くあげるかもしれないけど。帰りの深夜バスも押さえたし。2回目は8月頭に帰省をかねて「エリザベート(内野版)」&四季「CATS」&「大江戸ロケット」を観に。あとは実家でだらだら。あと3回目は8月末に宝塚「ベルばら(オスカル編)」のチケットがとれたら……でも取れなくても実家から近いし立ち見に並ぶかも。ついでにエリザベートの山口版とか神戸のフェスに民生とか見に行こうかなぁ、なんて。そんなこんなでこの夏をミュージカル漬けで過ごす27歳独身。……もう、そっとしておいてください。病気なんです。



Date:2001.7.8.
▼ 西島千博主演「ジャン・コクトー 堕天使の恋」を見に行く。前から一度西島氏をナマで観たいとは思っていたのだけど、演出家が小池修一郎氏っつーのもエリザにハマった身としては観ておかねばなるまい、という理由だったりして。でもこういういかにもプロデュース公演的な寄せ集め感にはあまり期待をしていなかったのだけど。案の定、舞台の内容にはいまひとつ満足できなかった。まぁ生演奏はいいんだけど、舞台美術やら証明やら演出やら振り付けやらが同じ方向を向いていない気がした。なんつーか、舞台空間や空気をきちんと構築できてなくて、スカスカな感じがしたんだよなぁ。もうちょっとなんとかならなかったのか……もったいない。

まぁストーリー性のあるダンス(バレエ?)公演なんでわかりやすいといえばわかりやすいのだが、悲しいときは「悲しいーー!」って顔して踊ってるし、うれしい時は「うれしいーーー!」って顔して踊ってるし、なんかもう全てヤリスギなのね。冒頭、トゥーマッチな演技と過度に感情を込めた踊り方に笑いが止まらなかったのだけど、演技の様式に慣れちゃうとだんだん飽きちゃうし。つか、それ、顔で演技しちゃうんだったら踊る意味ないじゃん、とか思ったりした。あれだけ情感たっぷりにダンスを見せるのであれば、むしろ顔の表情は無表情に踊ったほうが気持ちが伝わるんじゃないかとか思ったりした。なんかもう、感情表現がホントオーバーなので、ヘタなミュージカルよりも唐突感があるんだよなぁ。はぁ。まぁ、ダンスやバレエは専門外なのでなんともいえないんだけどさ。

ダンサーについて。コクトー役の西島氏のダンスには正直ピンとこなかった。むしろダルジュロス役の金森穣氏のほうが良くも悪くも異色な存在感と踊りが印象に残るし。ただそれは振付や演出の問題もあるからどっちが上手ってことでもないんだけどさ。あと島田依子さんの細い体に見とれてしまった……なんて体重を感じさせずに軽やかに踊るんだろう、とうっとり。

まぁ舞台の内容だけなら高い金払ってみるほどのことでもなかったかな、という気がしないでもないのだけど、開演前のロビーで石丸幹二氏を間近で眺めることができたのでそれだけで幸せ。ああ、来てよかった。などと思っていたらすぐ近くの2mと離れてない席に内野聖陽氏がいたりするから、もう! 舞台よりそっちが気になってしょうがないんだよーーなどとそわそわしてしまった私でした。目の保養だわー……



Date:2001.7.7.
▼ 「キャンディード」なぜか2回目の観劇。うーん、数ヶ月前の私ならバカ高いミュージカルを2回見るなんて考えもしなかった。つーか、初日を見た後にブロードウェイ版のCDを買って聴いていたら「あぁもう一回生演奏が聞きたいなぁ」と思ってしまったのだ。あぁう……どっちかっつーとリピートしてしまったのはバーンスタインのせいなんだが。まぁ最後列とはいえ一番安い席が運良く買えたっつーのもあるんだけどね。それにしても、やっぱり音楽を知った上で見るとミュージカルは楽しい。これだから中毒性があるんだなと再確認してしまった。こうしてミュージカルファンへの坂道を転がり落ちて行くんだな……

そういえばこの日のクネゴンデ役は鵜木絵里さんだったのだが、初日に見た増田いずみさんより歌詞が聞き取りやすい気がした。(もちろん耳が慣れたというのもあるんだろうけど)それでもやっぱり思いっきりミュージカル歌唱のキャンディードとはキレイに調和しないんだよなぁ……決して石井一孝氏がヘタだとは思わないのだけど、そもそも発声の仕方が違うような。うーん。声も断然クネゴンデのほうが大きい気がするし……たぶんPAで調節してるんだろうけど。まぁそれはそもそもWキャストがコケた時点で企画の問題だから、キャストは責められないんだけどね。そういえば増田さんはいい意味でバカ娘っぽくてそれはそれで良かったのだが、鵜木さんはバカというよりしたたかさを感じるクネゴンデだった。それだけで物語の印象がぜんぜん変わってしまうんだが……。



Date:2001.7.5.
▼ 青山円形プロデュース「室温〜夜の音楽〜」を見に行く。うーん、確かに青年団風なサスペンスものだなぁ。もうちっと不条理な話になるのかと思ったけど、因果関係をはっきり描いちゃってるのでリアリティたっぷりな物語に。現代日本の犯罪や病理を描いたなんとも社会派な話になっている。そのせいか、ナイロン100℃の「薔薇と大砲」の時はあんなに相性のよかったたまの音楽も、今回はいまひとつ調和してなかった気がするんだな。前半はまだ謎めいた物語だからそれほど違和感はないのだけど、ラストに近づくにつれ物語がリアルになっていくので生演奏が物語にそぐわなくなっていくのだ。どうにもこうにも、脚本と演出が終盤に向けてどんどん乖離していってしまったという気がする。あの音楽を使って演出するならもっと物語は謎を残した不条理なものであってほしかったし、あの脚本を生かすのならすっぱりと音楽を削ぎ落として1時間半の息詰まるようなサスペンス仕立てにしてほしかったと個人的には思う。なんつーか、決して出来が悪いわけではないだけに、「もったいないなぁ」という印象だった。



Date:2001.7.4.
▼ HIGHLEG WithOut JESUS--長塚JESUS「テキサス」を見に行く。HJ公演というよりは、ほとんど阿佐ヶ谷スパイダースな作風。つか、HJの役者たちで阿佐スパ公演をやりました、という内容だったな。ある田舎町に彼女を連れて東京から帰ってきた男。なぜか町では整形が流行っていて、姉は嫌いな男と一緒に住んでいた。そして男を追いかけてきた借金取りはその家の庭で麻薬を見つけて一儲け。そして町の住人は少しずつおかしくなっていき……、といった物語。まぁまだ初日だからそれ以上は書かないけど。ちゃんと物事の因果関係も濁さずに明らかにしてるし、阿佐スパよりは解りやすい内容だったな。いつもはハイテンションにネタばかりやってる劇団員もきっちり演技してるのにも感心したり。長塚氏の本は回を重ねるゴトに完成度が着実に高くなってる気がする。さすがに初日なのでセリフをやや噛んでる部分があったり、「もしかしてセリフ忘れた?」と思うシーンもないではなかったし、真剣なシーンである道具が落ちてしまって「……いまの、ネタ?」と思ってしまうところもあったけど、まぁご愛敬か。いつものHJ公演のノリを期待していくと確実に裏切られるけど、ワタシ的にはまぁ満足な内容でした。



Date:2001.7.2.
▼ どうでもいいけど先月はキャンディード、キャバレー、宝塚と妙にミュージカルづいていたワタシ。最近やっとミュージカルの楽しみ方が解ったよ! いまミュージカル観るのが楽しくて仕方ないんだよね。もしかして自分がミュージカルファンなんじゃないかと思い始めたりして。でもエリザベートで「3時間ずっと笑い続けた」と言ったり、キャンディードを「あれはバカ女をおっかけてバカ男が世界一周するバカミュージカルだよね」と言ったり、ラマンチャの男を「幸四郎さんがバズ=ライトイヤーみたいなんだよね、あれトイストーリーだよね」と言ったりするのは、やはり何か間違ってるらしい……。いや本人決してバカにしてるつもりなんかなくて、本気でそう思ってるんですが。



Date:2001.7.1.
▼ 炎天下自転車を漕いで20分、三軒茶屋までザ・ガジラ「ベクター」を見に行った。役者が怒鳴り気味の演技するのってあんまり好みではないのだけど……それでも、作品自体はよく出来てると思った。5人の戦犯の兵士が2人の軍医に連れられて、消息不明の戦闘機の荷物を取りに行く。荷物の中身は知らされず、ひとりひとり原因不明の病気におかされていき、軍医だけは真実を知っているようで……といった物語。登場人物の感情が次第に死滅していく、戦場の過酷さがなんとも痛い。あぁ本当に戦争ってイヤだなぁとつくづく思ったりしてね。そのくらいどよーーーーんとした気分になる物語でした。はぁ。

ただ「衝撃のラスト」といわれているあの事実については(ネタバレになるので具体的には書けないが)、あんまりピンと来なかったんだよね。いや、もちろんそこに目をつけた視点は面白いと思うのだけど、実際にそれで戦争を終わらせるにはあまりにも時間がかかりすぎるんじゃないかなぁ? って。そりゃまぁ即効性がある分、現代のあの病気よりは話が早いんだろうけど、潜伏期間がないと広く感染しにくいよなー、って思うのだけど。まぁ、いいんだけどさ……。