ウラPlay News  〜言いたい放題観劇雑記帳〜
このページはオイラの個人的な覚え書きであって某情報誌とは一切関係ありません。また芝居の感想についてはその日の体調や個人的感情によって著しく左右されております。間違っても劇評なんて高尚なモノを書いてるつもりは毛頭ございませんのでご了承下さい。

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もっと昔のヤツ
reviews

Date:2001.8.31.
▼ 夏休み関西ミュージカルツアー第二弾1日目。つーかよくやるよ私も。そんなわけで「エリザベート」の山口祐一郎バージョン楽日を見てきたのだが、「山口さん、だ、大丈夫ですかァーーーッ?」というのが第一印象。今にも倒れそうな、なんとも儚げな黄泉の帝王でした。あんなんじゃエリザベートを黄泉にひきずりこむ前に自分が御陀仏だ。内野聖陽バージョンの「殺る気まんまん、元気いっぱい!」なエロエロ閣下と比べると、なんとも物足りない。歌はさすがに完璧と言っても良かったけれど、動きもまったくキレがないし……というか、内野版と比べると「ほとんど動いてない」といっても過言ではない印象。そりゃまぁつい数日前まで東京で「風と共に去りぬ」を2ヶ月やってるわけだから、疲れが出ても仕方ないスケジュールではあるけれど……高い金払って見に来てるんです、こんなのはもう勘弁してくださいな。最後は千秋楽のご挨拶ということで、一路さんを中心にルトヴィカ、マックス、ゾフィ、ルドルフ、ルキーニ、フランツ、トートからご挨拶がありました。



Date:2001.8.29.
▼ 研辰の千穐楽に行って参りました。あぁ今年の夏は歌舞伎座な夏だったなぁ。去年は演舞場で過ごしたような記憶があるけれど。か、金がかかるんだよ……どっちも……。まぁそれはさておき、客席の「楽しみたい」という気持ちと、役者さんの「楽しませたい」「楽しみたい」という気持ちが見事にマッチした、たいへんに楽しい公演でございました。満足〜。3回見ても全然飽きなかったなぁ! で、楽ならではのお楽しみをちょっとだけレポートしておきます。

・扇雀さん「野球選手の妻になれば女子アナになれる」の台詞の前に、「歌舞伎役者の妻になれば国土交通大臣にもなれる」という台詞が追加。母親をネタにするなんて。

・だんまりのところで、いつもはキスしそうな状況になる勘九郎さんと染五郎さん。それが今日は突然、勘九郎さんが染五郎さんにチュッと音を立ててキス。唇に手をあててうろたえる染五郎さん。か、可愛い……

・峠の場、染五郎さんが畚をさして「そのリフトに乗せてくれ」。亀蔵さん「これはリフトじゃなくてフゴでございます」染五郎さん、反抗するように「いいじゃん!(きっぱり)」……亀蔵さん、目が点。ちなみに前楽の日には駄々っ子のように「いいのぉ!」とか言ってたらしい。

・勘九郎さんが3階席や2階席に現れるシーン、1階からはまったく見えなかったけど、ざわめきの時間がかなり長かったのでいつもより滞在時間が長かったのかも(もしかしたら余計なことをしていた可能性も)

・幕が引かれてもほとんどの人は帰らず、カーテンコールはほぼ8割スタオベ。でもいったん客席を沈めて座らせる勘九郎さん。何をするのかと思えば、いつのまにか横に置いておいた行燈のあかりをふっと吹き消して……宿屋のだんまりのシーン、ウエストサイド物語をもう一度(でも客席の手拍子がうまくタイミングが合わず、ちょっとずれずれ)。そこへ、御家老の扮装をした三津五郎さんが花道からあのスキップで登場! 福助さんが染五郎さんに抱きついたり(当然片足がぴょんと上がってる)、なんとも楽しそうなカーテンコール。

・いったん幕がひかれたものの、鳴りやまぬ拍手にもう一度幕があく。客席にいた野田さんに向かって「おいでおいで」の合図をする勘九郎さん。照れた風情の野田さんが舞台へ。勘九郎さんが手をさしのべて舞台にひっぱり上げる。勘九郎さんは、三津五郎さんと握手、染五郎さん、勘太郎さん、福助さんらと順番に握手を交わし……その先にはなぜかからくり人形の扮装をした亀蔵さん。勘九郎さんは握手しようと出した手をひっこめてニヤリ。そして深々と全員でおじぎ。横で福助さんは後ろから扇子を渡され、それをぱしっと開いて「あっぱれじゃ!」。楽しそうに笑いながらその扇子を後ろの方に返してらっしゃいました。後で聞いたところによると、3階席にて団体で扇子をふってる「あっぱれ隊」が出現していたようですな。そして、幕。なんとも楽しい楽日でございました。

そういえば金魚の芝のぶちゃんと勘九郎さんがじゃれるシーンで、「芝のぶっ」って大向こうがかかってたなぁ。嬉しかった♪



Date:2001.8.28.
▼ ラーメンズの初期作品集「零の箱式」を見に行く。そりゃもうあいかわらず完璧なまでにこの人たちのコント集は面白い。後半、コントかと思いきや「ちょっとイイ話」の短編みたいなネタもあったりして(もちろん笑えるけれど)、ラーメンズって昔から巧かったのねぇなんて感心したりした。しかしさすがに初期作品だけあって「ちんこ」とか「うんこ」とかなんかシモネタも多い……。小林さんが「来いよ」とか言いながら片桐さんをベッドに誘ったり、モミ占い(ちんこを揉んで占う)でふたりのあえぎ声がでてきたり、最近のラーメンズしか知らない人間にはびっくりするようなネタもあった。同人系のお嬢さんがたは大喜びだろうが、ラーメンズにこういうのやられるとオイラ赤面しちゃうよー……。いや、ハイレグとかがこういうネタやってても別になんとも思わないんだけどさ。やっぱりキャラとかイメージっつーのが、ねぇ(もごもご)。「教材用片桐仁」で小林氏がちょっと見せたマイクの持ち方のアドリブが面白かった。



Date:2001.8.26.
▼ 昨日のリベンジで今度は朝9時から歌舞伎座に並ぶ。今度はまんまと4列目補助席ゲット。くう、嬉しいなぁー。さてその足で都内某所のスタジオへ。新感線の「大江戸ロケット」の代役にきまった山崎裕太氏の取材。本人、3日間で8時間くらいしか寝ずにせりふを覚えたとか……やはりこの芸能界に長くいるだけあって、プロ根性はさすが。肝がすわってて、なんだか頼もしい限りだった。心配なのは1ヶ月間声が枯れずに持つかなーというところくらいかな。いしだ壱成の清吉にくらべると愛嬌はないと思うけど、その代わり、硬派で言い出したら聞かないガンコな江戸っ子って感じになるんじゃないかな。あの調子なら初日には充分間に合うんじゃないかなぁと思いました。また初日が楽しみになってきたなぁ。

さて夜の歌舞伎座へ。また「研辰」が見られるなんて嬉しいよう。やっぱり2回観てもぜんぜん飽きなかった。面白いなぁ。今日は上手なのでじっくりと芝のぶさんを間近で眺める。あぁやっぱり本物の女性にしか見えないってば……。だんだん大向こうさんも芝居の間合いがわかってきたのか、掛け声が多く飛ぶようになった。でもこの日はヘナチョコな女性の声の掛け声がものすごくおかしなタイミングでかかるのでなんかもう、興ざめ。ああいうのは「ここぞ」っていうタイミングでかけてくんないと困るよなぁぁ。

それにしても、役者さんがみんな楽しそう。客席も楽しそう。ああ、幸せ。



Date:2001.8.25.
▼ 歌舞伎座の第1部と第2部を見に行く。ついでに3部も見て帰ろうかと思い10時過ぎに当日券に並んでみたけれど、ちょうど私の目の前の一人で最後の1枚が売り切れ。がーーーん。ショック。まぁいいんだけどさぁぁ(涙)。気を取り直して第1部。花道上の2階席1番前から「寺子屋」と「かさね」を観劇。

寺子屋、せっかくのお涙頂戴話なのに、となりのおばちゃんがしゃべるわ紙袋ガサつかせるわでうるさいんだよう! もう! ぜんぜん集中できずに終わってしまいました。この日は源蔵が橋之助さんで松王丸が染五郎さんだったのだけど、前半の逆のキャスティングのほうでみたかったなぁと思ってしまった。ふたりとも悪くはないんだけどね、なんとなく。でも染さまが一瞬せりふをつかえてしまったような妙な間があったのが気になる。勘九郎さんがとなりでちらりと染さまのほうをみていたなぁ。

つぎに福助さんと三津五郎さんの「かさね」。要約すると男に捨てられたかさねちゃんが捨てた男に恨み節炸裂させてものすごい形相で襲いかかる、とかそんな話。大好きな福助さんの演目だししゃべったらぶっとばすそババア! とか思っていたが、幸いというかぐーぐーとお休みになっていたので安心して集中できた。なんかもうすっかり福助さんファンの視点で見てるので、頭の中で「がんばれかさねちゃん、イケイケかさねちゃん!」などと応援しながら見てしまった。三津五郎さんも悪くはないけど、いまひとつ悪い男の色気に欠けるかなー。いい人に見えなくもない……

さて1階の上手側から第二部観劇。このあたりからちょっと体調が悪くなり始めて壮絶な眠気が襲ってきた……でも太刀持ちやってる芝のぶさんが下手にいるからそこだけ一生懸命起きる。あと福助さんの娘ちゃんの佳奈ちゃんがめためた可愛い。つたないせりふの口調がまたなんとも……。うーん、第二部はちょっと退屈だったか。体調のせいか。



Date:2001.8.23.
▼ こまつ座「闇に咲く花」を見に行く。再演のはずなのになんだかまぁタイムリーなお話。終戦後、ある神社の境内が舞台。お面の工房を営みつつも闇米を仕入れるために結束する神主さんと近所の奥さんたち。そこへ、死んだとばかり思っていた神主の息子が「記憶をいままで失っていた」と言って帰ってくる。一時は幸せな日々を過ごしていたが、やがてその息子は戦犯として追及され、再び記憶を失ってしまう……といったお話。そこに神社のあり方を問うテーマがずしりとのしかかってくるのだな。もうホント靖国参拝問題でこれだけモメた年にふさわしい公演でしたな。この夏にこのタイミングで初めて観て良かったと思える芝居でした。「あぁ日本の戦後なんてなんにも解決してないんじゃん」なんて思わず柄にもなく政治に思いをはせてしまったりしてね。良くできてるし、ちょっと泣けたし、でもたくましく生きる人々のユーモラスな姿にちょっと笑ったし。さすが井上ひさし、重いテーマをみごとに調理しつつもウエルメイドな作品でした。満足。



Date:2001.8.21.
▼ こどもとあそぶというユニットの「刺したり殺したり」を見に行く。奥村香里(エッヘ)・福原充則(ピチチ)・武本正弘・山下純・森戸宏明(動物電気)・佐藤ひでひろ(LOOP)というキャスティングでのコント集。うーん、いまひとつだったかなぁ。企画書を読む限りではアイデアは面白そうだったのだが。というか、ホン自体は役者と演出によってはもうちょっと面白くなるんじゃないかと思うものもあったのだけど、そういうネタに限って役者がホンに合ってなかったりするもんだから……うーん。ベタじゃないちょっとひねったコントってのは、かなり巧い人間が演じないと面白くはならないんだなぁと思った。ただ最後の方にでてきたものまねオーディションで選考される側のどうにもおどおどした男性が、「……鼻毛を抜く、形態模写」と言った瞬間だけはかなり笑ったけど。



Date:2001.8.19.
▼ 西田シャトナー演出、保村大和ひとり芝居「マクベス」を見に行く。そういえばピスタチオ解散後久々に彼らの舞台を見に行くような気が。正直、一度もうピスタチオからは心が離れてしまっていたのでこの公演もさほど期待はしていなかったのだけど、意外に良かった。よく考えたらいままで満足の行くマクベスを観たことがないので、保村氏のマクベス像はわりと上位にランクインしたのだった。もうちょっと役の演じわけがはっきりしてるといいなぁとか、墨を体に塗る演出はちょっとどうなの、とか(意図しているところはわからんではないのだけど)、2時間とはいえ一人芝居でこのシリアストーンを保ったまま客に気の緩む隙を与えない2時間ってのはちょっと長すぎるんじゃないか、とか、気になる部分もないわけではないのだけど。でも「こういうマクベスもアリだな」と思わせてくれるマクベスでした。



Date:2001.8.17.
▼ 歌舞伎座で「野田版 研辰の討たれ」を観た。お、面白かったぁぁぁぁ。ドタバタでスラップスティックな仇討ちモノといった感じ。こういっちゃなんだが、「贋作桜の森の満開の下」より断然面白かったんですけど? オリジナルの「研辰」を知らないのでどれくらい脚色してあるのか、どこからどこまでが野田さんテイストなのかはわからないけれど、話がまず面白かった。書き割りを使わないシンプルで抽象的な美術とか、形は普通の着物なんだけど迷彩カラーの辰次の衣装とか(黒子もアーミーな迷彩柄。確かに松林のなかではこっちのほうが目立たないかも……)、ビジュアル面はあまり歌舞伎らしくないのかな。でもコクーン歌舞伎もそんな感じだし、歌舞伎ファンのお客さんも特に抵抗はなさそうな感じだった。

そして役者さんたちがなにより楽しそうに演じているから、観ているこっちも楽しくなってしまう。もうとにかく口ばっかりの辰次ってばヤなヤツのはずなのに、勘九郎さんは愛嬌ありすぎで可愛い役になっちゃってるし(でもちょっと野田さんが取り憑いてたような気も)。時々アドリブっぽい台詞を言ったりするからまた楽しいし。それに何かにつけて日の丸扇子をひらいて「あっぱれじゃ!」とキメてくれる福助さん演じる奥方が面白いんだよー。その福助さんが二役で演じるおよしなんて最高にキュートなんだよなぁ、もう! 「キャー」なんて片足ぴょんと跳ねあげて染五郎さんに抱きつこうとするところなんざ、もう……。あぁ福助さま最高。あと途中で出てくる芸者の金魚ちゃんに目が釘付け。中村芝のぶさん、声がもうどう聞いても女性の声なんだよなぁ。「ホントに男? 女なんじゃないの?」とか思って、思わずオペラグラスを覗いてしまったよ。そしたらかんざしやら腰のあたりで飾りの金魚がぶらぶら揺れていたから笑っちゃったけど。筋書きの写真みても、女性だと言われたら納得してしまいそうな顔だちだし……うぅむ、気になる。

あと笑ったのが亀蔵さん演じる不気味でコワくて面白いからくり人形とか……あれ、夜道で会ったらマジでコワイって。それから宿屋のシーンで竹本さんが階段降りてくるところなんざ……もう笑い転げたね。あんなの歌舞伎初心者の私でも「あ、ありえない!」とか思っちゃうもの。はー。面白かった。なんかもう見所満載すぎて書ききれないや。あぁ今年はアタリの舞台が多いなぁ。嬉しいったら。



Date:2001.8.16.
▼ e+でハーフプライスチケットが出ていたのでブロードウエイミュージカル「Fosse」を見に行く。まぁだいたい内容についての評判はきいていたので、それほど期待せず。まぁ半額ならこんなもんかなぁという感じだったけど、2階のS席12000円だとちょっと高すぎて金返せといいたくなるかもなぁ。つかあんなに遠い2階席まで一番高いS席で売るのはどうなのよ。もう。

それにしても、オーチャードホールでやるにはあまりにこじんまりした演目。そもそもせっかく大きなステージの額縁を2/3くらいに小さくして使っているので(ツアーセットで歩幅の関係とかもあるんだろうけど)なんだかもったいない感じ。あのサイズならせめてコクーンでやってくれと思った。願わくばパルコで。うん、パルコサイズで観たらかなり盛り上がっただろうなぁ。そもそも大きな動きで楽しませるというダイナミックなダンスではなく、ちょっとした手つきとか体のラインとかをキレイに見せるという振付なので、遠目に見てるとそれほど面白くないんだなぁ。8倍のオペラグラス使って観てちょうどいい感じ(でもオペラグラス使うと全体が視界に入らないので少人数で踊ってる時にかぎられてしまうのだけど)。各種ミュージカルや映画からの抜粋でいろんなシーンをつなげた感じの構成になっているので、「ミュージカル」というよりはダンスのレビュー公演といった感じ。まぁ最初からそう思ってみればそれなりに観てられるんだけどね。ラストの「Sing Sing Sing」はそれなりに盛り上がったし「キャバレー」のサリーの歌くらいは知っていたけれど、観たことのないシーンや聞いたことのないナンバーばかりなので、フォッシー振付作品をしらない人にはそれほど思い入れのない公演なんじゃないかと思った。

ただ考えてみたら、好きな日本の振付家でこういうショーがあれば確かに面白いだろうなぁとも思うわけで。例えば「茂太」なんてタイトルでイデビアン・クルーの傑作シーンを集めたショーがあったら、それは確かに観たいわけで(つーかイデビアンの次回公演はまさにそれって話もあるが)。あと「早紀子」ってタイトルで白河直子のソロや秘密クラブの名シーンやエリザベートのマイヤーリンクとかやってくれたらそりゃぁファンにとってはたまらないわけで。そう思うとまぁFosseも好きな人にはたまらない公演なんだろうなとは思うんだけどねぇ。

▼維新派の時の写真をアップしました。といっても、会場最寄り駅の室生口大野から会場までの道のりをだらだらと写真撮りながら歩いただけですが。行けなかった方は少しでも雰囲気の破片を味わってください。行かれた方はあの道のりを思い出すのにご利用くださいませ。ちょっと画像点数が無駄に多くて重いですがご容赦下さい。



Date:2001.8.14.
▼ 劇団四季「ユタと不思議な仲間たち」を見に行く。子供の頃に見てる可能性もないではないが、多分初めて観るユタ。いわゆるファミリーミュージカルとはいえ、大人が観てもちゃんと見どころが多々あったりしてなかなかに面白かった。案外日本のオリジナルミュージカルの中では高レベルなほうの作品なんじゃないかと思ったりして。前半はやや眠たい部分もあったものの、座敷わらしの登場シーンのレーザーの使い方や、後半のフライングシーンやユタのトレーニングからケンカに至るダンスシーンなど、思わず「おぉ」と呟いてしまうような見応えのあるシーンがあるんだな。フライングといえばもうワイヤーで吊ってぶらーんぶらーんみたいなものだと思っていたが、この作品では一本吊りのワイヤーでフィギアスケート選手のごとくくるくるくるくるスピンしたり、腰を2本のワイヤーで支えてる人も体操選手のごとく前転でくるくるくるくる回ったり、フライングの技術に思わず感嘆。加藤敬二振付のダンスも見応えがあって、ユタ役の田邊氏の激しい動きにまた感嘆。結構長いダンスシーンなんだが見事に踊りきっていたので感心してしまった。テーマもしっかりしてるし、あの南部弁の呪文のような台詞の意味を最後におじいちゃんが明かすシーンでは、思わず切なくて泣きそうになってしまったね。いやマジで。素直に面白かったです。

それはさておきこの舞台で一番気になったのはなんといっても下村ヒノデロ尊則。女郎の子供で赤襦袢をしゃぶっていておしろいの匂いが大好き、という座敷わらしなので、思いっきり女装なのだ。そして緑から紫へのグラデーションタイツ&紫オムツという扮装の妖怪。しかしこれがまた楽しそーーーうに演じるんだな。いちいち細かい動きがその筋の人なのだ。かなり役に入り込んだ状態でイキイキと演じているので、そりゃあもう主役のユタやペドロたちが何か中央でやってるときでも、横にいるヒノデロが気になってしょうがない。つーか途中で気になってしまったのが、「カマっぽいふりしてるときの古田新太さんにそっくりだ」……そう思ったらもう古田さんにしか見えないのさね。表情のつくりかたがなんとなく似てるし。後半ユタのトレーニングシーンでは殺陣っぽいところもあるし。そんなこと考えはじめたら一気に脳内で新感線フィルターが発動。ペドロがどうみても逆木圭一郎氏なのは新感線でもネタになってるくらいだから当然として、じゃあユタは高田聖子さんあたりで、あの座敷わらし一同は逆木&古田&こぐれ修&村木よし子&山本カナコ、あといじめっ子の目立つのが右近健一&橋本じゅん……とか考え始めたら止まらないんだよ! いじめっ子が今にも「ユタ、行くざんすよ!」とか右近さん口調で飛びかかったり、じゅんさんが「こーーーーー」とか言いながら千葉真一な構えを見せたりしそうでイヤなんだよぉぉ! ……また悪い病気におそわれてしまった公演なのでした。



Date:2001.8.10.
▼ 今回は当日券もほとんど出ないというのでもはや観られないかと思っていたキャラメルボックスの「ミスター・ムーンライト」、直前になって某所でチケットを譲っていただけたので見に行きました。しかし恐るべし上川隆也人気……客席の盛り上がりぶりったら、もう。クレジットがトップではなかったので主演じゃないのかなぁと思っていたけど、しっかり上川氏が主役。気が弱くおたおたとあわてふためきがちな図書館の司書役で、テレビではあまり観られない役柄だった。さてざっくりとあらすじを。友人の死んだ妹が、幽霊になって主人公に取り憑き、奇妙な行動を取り始める。一方でその友人は、妹が死んだ原因となった事故の時、車を運転していた妹の友人を許すことが出来ない。主人公と幽霊の妹は、なんとか友人(兄)の怒りを静めようとするけれど……といったお話。まぁ、こじんまりとまとまったフツーにええ話、っていう感じか。可もなく不可もなく。それより上川がなんかするたびに後ろでしゃべるおばちゃん、うるさいよ! もう! マジで配布されたイエローカード使ってやろうかと思ったさ。あぁ、ムカつくったら。



Date:2001.8.7.
▼ ミュージカルツアーin大阪、第二弾。四季の「CATS」@大阪MBS劇場を見に行った。CATS見るの初めてなんだよね。場内に入るとごっそりとゴミのオブジェと電飾が壁一面に貼り付けられていて驚く。ステージから2階席まで直通の通路がつくってあったりして、さすがロングランだと容赦なく劇場を改造してここまで作り込めるんだなーと妙なことに感心したりして。内容は、特にこれといってストーリーらしきものはなく、個性的な野良猫たちがそれぞれのキャラクターを見せるショーといった感じだった。それだけに前半ちょっと飽きかけて「大島弓子の綿の国星を原作にして、日本版キャッツを作ったらどうだろう。演出は誰がいいかなぁ、串田さんかなぁ。音楽はVOYAGEみたいにシンプルなオケで……でもメインテーマは矢野顕子さんか大貫妙子さんがピアノ弾き語りとか。それをSTUDIOコクーンあたりでこじんまりと作ったのが見たいなー」とかイロイロどうでもいいことを考えてしまった。でも後半は装置や仕掛けをいろいろ使って見せ場も多く、なかなか面白かった。あと、アンドリュー・ロイド=ウエバーの曲も良かったしね。

それにしても、散々あの東宝の陰気なミュージカルを見た後に四季を見ると「みんな歌も踊りもうまいなー……」とか思ってしまう。基本的によく鍛えられているのだ。脇役でもちゃんと歌えるし動けるし、スマートな猫はみんな体のラインがキレイだし。ただ、みんな同じように見えてしまうというのもまた事実。東宝ミュージカルって色んな出自の人がいるから、演技カラーや歌い方のトーンがバラバラなんだよなぁ。ある意味個性的でイイといえばイイのだけど。まぁどっちがいいという問題でなく、好みの問題なんだけどね。何はともあれ四季作品の完成度の高さにちょっと感心したのでした。

▼さぁミュージカル(といっていいのか)ツアー第三弾。劇団☆新感線+ホリプロ「大江戸ロケット」初日を見る。いのうえ歌舞伎とは銘打っているものの、いつもの暗ーくドロドロした血生臭い話とはひと味違い、にぎやかで明るくて威勢の良いカラっとした物語。まだまだ東京公演も始まっていないのでくわしいあらすじは伏せて、ネタバレしない程度の感想を。

さすがに初日なのでいまひとつ段取りが悪いのか、台詞がかぶったり、とばしたと思われる箇所があったりして、具体的な因果関係がいまひとつ解りかねる部分も多かった。まだまだスムーズに流れていない感じ。まぁ、どうせ初日だし、いつものことなんだけど。前半が少々冗長でもたついてる感じだったけど、後半は盛り上がっていたな。これから見る方は前半で集中力がとぎれてしまうとつまらなくなるかと思うので、後半の展開に照準をあわせ前半はやや力を抜いて見ることをおすすめしますわ。

いしだ壱成&奥菜恵の主役コンビは良かった。もちろんアテ書きってのもあるんだろうけど、しっかり役にハマってたし。ふたりとも「演技がものすごく巧い!」とかいうわけじゃないんだけど、なんだか一生懸命でひたむきで、でも楽しそうな感じが伝わってきて、好感度高かったなぁ。奥菜ちゃんはホリプロのお家芸フライングで登場。うーん、新感線は前にも西遊記でフライングは使ってるんだし、もうちょっと面白い使い方はできないものかな? なんとも地味なフライングなので(四季「ユタと不思議な仲間たち」のフライングとまではいかないまでも)もうちょっと工夫して欲しかった。まぁ、ワイヤー吊りって役者の鍛え方次第って部分もあるそうだから、あんまりムチャもいえないのかもしれないけど。

そういえば、ご隠居役の藤村俊二さんはもう誉めるのも憎たらしいくらいに美味しいトコさらってた。つーか、おじいちゃん、元気……。あと古田さんがねぇ、汚れ役を背負って一人孤独に仲間たちのために奮闘する……って善人役なんだけど、かーっこいいんだ、これが! もう古田ファン的には大満足よ。着流し姿で、ちゃんとチャンバラシーンもあるし。古田ファンは下手通路沿いのチケットを取ることをオススメしますわ。立ち位置も下手側が多かった気がするし。

ただ、この作品、青山劇場でやるにはちと広すぎるんじゃないかなぁ……。松竹座のほうが客席と舞台の距離も近いし、ちょうちんがあったりする分お祭り気分が盛り上がって雰囲気がイイんだが。青山劇場でこの内容では空間が埋まらないんじゃないかなぁなんて思ったりした。もっと役者がこなれてきて、かつ、もうちょっと迫力とスピード感のある展開にしないと、青山サイズにはキビシイかなー……などと思ったりするのだ。シアターアプルサイズならこのままでも充分に面白いのだけど。せめてサンシャイン劇場ってとこかなぁ。ま、今後まだまだ変わっていくだろうし、東京公演を楽しみに待ちましょ。



Date:2001.8.4.
▼ 早朝の新幹線に乗って大阪へ! 寄生もとい帰省を兼ねてミュージカルツアーin大阪です。まず初日はもちろん、あの陰気で暗ーいミュージカル「エリザベート」ですわ。久しぶりに見たけど、やっぱり面白いなぁ!(色んな意味で)もうツッコミつくしたかと思っていたけれど、意外にもまだまだツッコむ余地が残されていたコトを知った。これは後日「小雪ビューによる解説&ツッコミ付きweb上イヤホンガイド」にて放送予定。いやーコレだけ書いてもまだ書き足りないのか、私。誰か止めてくれ。

まぁそれはさておき、ちょっとヒドいミュージカルを立て続けに見た後だったので、なんだかものすごく名作を見た気分になってしまった。楽曲はしっかりしてるし、オケの音も厚いし、なんつったってアンサンブルの群舞と大島早紀子振付のトートダンサーは何度見ても飽きないなぁって思ったりして。もう今じゃルドルフ役の井上芳雄くんが2幕の冒頭までアンサンブルのどこで踊ってるかってことまで気付いてしまうのさ……ゴメン、重傷だ。さすがにトートダンサーたちの見分けはいまだにつかないんだけどね。

ところで今回は親孝行ついでにチケット代を負担し、両親(50代後半)を連れて行ったのだ。今まで芝居なんて数えるほどしか見てない(確か四季のCATSと松本幸四郎のマクベスと梅田コマの高橋英樹座長芝居くらいだったと思う)親なので、どんな反応するか見たかったのだが。休憩時間中の会話はこんな感じ。

私「どう?」
父「……なんやようわからんわ」
私「別に因果関係は理解しなくていいよ……。帝国が滅んでいくのとエリザベートが死の誘惑と戦っているのだけ理解してれば」
母「だからぁ、嫁と姑は大変だっていう話よ」(←えーー? そこを要約する…?)
父「はぁ……」
母「それであの白い髪の人は何者なの?」
私「死の象徴というか黄泉の帝王というか……まぁ、死神みたいなもんだよ」
父「それぐらいは解る。アレが主人公を死の世界に誘惑しているんだろ」
母「そうなの? ふーん……まぁ、高橋英樹ショーよりは面白いわね」(おいおい)
父「高橋英樹、ひどかったな。声枯れてたがな」
母「席も悪かったしねー」

とか……まぁ、いいんだどね。しかし母親は「一路真輝さんってキレイねぇ。歌うまいわねぇ。子供時代から老けたところまで演じちゃうなんてすごいわねぇ」などと至極まっとうな感想を言うので、思わず「私は本当にこの人の腹から生まれたのだろうか」と疑問に思わずにはいられなかった。つーか、どこでどう間違って育つとこんな人間になってしまうのだか。あぁ、お父さんお母さんごめんなさい。幕間に母親が「あんまり笑えなかったんだけど、どこが笑えるの? 後半は笑えるの?」などと素直な口調で聞いてきた時は、心の底から「生きててスミマセン」と思ってしまったわ。はー。

それにしても幕間にアナウンスが入るのだが、「梅田コマ劇場へご来場のみなさん、こんにちわ。浜村淳でございます」と、あの浜村淳ボイスで「カルメン」や「王様と私」などの紹介がされるのはいかがなものか……せっかくのお耽美で重厚な宮廷絵巻のはずが、一気に「渡る世間は鬼ばかり」に見えてくるのはコレのせいもあるのかも。あぁぁ。

ちなみに高嶋ルキーニ正宏は、2幕の「キッチュ」で大阪弁まじりに歌っておりました。「こんにちわ大阪ーー!(拍手)おおきに、おおきに」♪この絵はがき モデルはエリザベートとルドルフ♪「ええやろー」♪クリスマスの礼拝姿の絵柄もあるよー♪(客に渡すフリをしてヒョイと取り上げ、ニヤリ)「やらへんでー」……てな具合に。コレは大阪のみの特典だな。この曲で一斉に手拍子が起こるあたり、大阪のお客さんはだいぶノリが良かった。



Date:2001.8.3.
▼ 鳥肌実@野音ライブを見に行く。ここ数回のライブですっかり幻滅させられているので今回はもはや「野音にビール飲みに行くか」程度の気持ち。案の定、後半はネタを忘れて政治ネタのフリートークに。「もう芸人としては先がないのであります」なんて自虐的にネタにしていたけど、自分で自覚してるのならもうちょっとなんとかすればいいのに。もうホントここ数回のライブのひどさったらないよな。最初は盛り上がっていた客席も、途中からだんだんテンションが下がっている気がした。ここ何回か見てるようなお客さんは「またこのパターンだよ……」なんて囁きあっていたし。ほんと、ネタ忘れるだけでなく芸風すら忘れてすっかり素になるなんて、しかもそれを隠すでもなく「素です」なんて言い切っちゃうなんて、芸人としてどうなんだろう。



Date:2001.8.2.
▼ アートスフィアの「Little Shop of Horrors」のゲネプロを見てきた。
……ノーコメント。