ウラPlay News  〜言いたい放題観劇雑記帳〜
このページはオイラの個人的な覚え書きであって某情報誌とは一切関係ありません。また芝居の感想についてはその日の体調や個人的感情によって著しく左右されております。間違っても劇評なんて高尚なモノを書いてるつもりは毛頭ございませんのでご了承下さい。

*ほぼ敬称略*


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もっと昔のヤツ
reviews

Date:2001.12.27.
▼今年は早くも観劇納め。カクスコ「今日までどうもありがとう」を観た。ボロアパートさつき荘の日常をあいかわらずうだうだ描いた総集編。いつも通りのカクスコなんだけども、あー、これで解散なんだなー、と思うと、特にファンというわけでない私ですらやっぱり感慨深いものがある。ファンの人ならなおさらなんだろうなぁ。上演時間は2時間半くらいの予定だったようだけど、開演押したのも含めて終演は22:20過ぎてたような。遠方から見に行く方は終電にご注意(まぁ四谷怪談ほどじゃないか…)。



Date:2001.12.24.
▼そういうわけでクリスマスイブの夜だっつーのに「くるみ割り人形」の公開通し稽古を見に行ってきました。 いやー、久々に思わぬところで大爆笑。それが果たしてこのページで伝わるかどうかわかんないけど、とりあえずレポートしてみます。

ゲネプロとはいえ、役者の関係者と思われる人々や家族連れなどが数多く来ていて、ACTの前半分がほぼ満席な感じ。開演前、チューニングの音が聞こえたのでとりあえず生オケであることが解って一安心。やっぱミュージカルは生オケでないとね。幕が開くと、そこには「DREAM FACTORY」という建物。どうやら主人公のクララ(中山エミリ)&弟のフリッツ(田中聖)のおじさんであるドロッセルマイヤー(橋本さとし)が勤めるオモチャ屋さんらしいのだけど……。なぜかキティちゃんが山のように積まれていて、アメリカというよりはまるで多摩ピューロランドの趣き。ドロッセルマイヤーさんが「面白いビデオを手に入れたから観においで」というのでクララ&フリッツは友人たち(どうみても無軌道な若者風味)を連れて見に来ているところから始まるわけ。

で、人形アニメの「くるみ割り人形」を観た彼らは「つまんなーい」「刺激がなーい」とかぶーたれながら、オモチャ売り場の棚に腰掛けるんですが、これはヤバい。そう、キティちゃんのぬいぐるみの上に座ってるわけですよ。あろうことかスポンサーのサンリオ様の至宝、キティ様を尻の下に!敷いてしまったわけですな。このシーン、果たして楽日まで生き残るのか、謎です。誰か楽日に見に行く方は報告おまちしてます。

「じゃあ君たちはいったい何が欲しいんだい?」というようなドロッセルマイヤーさんの問いかけに対し、無軌道な若者たちは突然声を揃えて踊りながら歌い出す。
♪ポケモン、デジモン♪(←微妙に韻を踏んでるのがまた……)
♪ギミギミギミギミーーー♪(give meのことだと思われる)、とかそんな感じの歌を、しかも、ロックとラップの中間くらいのビミョ〜な曲調に乗せて。このナンバーがまた寒いことこの上なし。もう、こういう展開が恥ずかしくて恥ずかしくて最初鳥肌が立つんだけど。もうイキナリ、ミュージカルの恥ずかしいところさらけだしてどうすんだ。頼むよホント。こういうので初ミュージカル経験したら、賭けてもイイ、絶対ミュージカル嫌いになるって。

さて場面はクララのおうちへ。父親のない母子家庭で、母親が酒飲んでたり弟がテレビゲームしてたりする中、「みんな自分のことしか考えてない、家族のことなんか考えてない……」などというクララ。うわ。いきなり説教の匂いだよ。もうすでにこのへんで「……子供向けミュージカルだったのか」とがっかりしはじめる。うーん。さてそんなクララとフリッツをファンタジーの世界にいざなう叔父さん・ドロッセルマイヤー。おもちゃ屋の店員の時はイケてなくて使えない男だったのに、こっちの世界だといきなり胡散臭さ満載の謎の狂言回しになってしまう。しかしさとしさんもすっかり「脇を固める」演技ができる人になったんだなーとちょっと感慨深かったりして。昔はどっちかっつーと頭の悪いイキオイのある役の方がハマっていたのだが。ま、それはさておき。

めいっぱいファンタジーの世界になってからは寒さも薄れ、少しは安心して観てられるようになるのだけど。ここで登場する近衛兵フランツ。本当はコタニキンヤの役なんだけど、初日から約一週間は代役を立てたと言うことで野沢聡さんが登場(それにしてもキャンディードの時といい亜門さんの作品は降板が続くなぁ……)。このフランツが近衛兵だけに、衣装がまるでベルばらのオスカル風味。これがまたマントばさぁばさぁってよく翻してくれるからコスチュームフェチにはたまらないのだけど。しかし野沢さん、文学座の研究所出身のくせに、そんな芸風をどこで覚えたんだ! エリザベートに決まってるんだけど(ぼそ)。野沢フランツかっこいいんだけどなー。角度によっては顎の形が微妙……。

さてクララ&フリッツ&フランツは、この世界で様々な出会いや経験を経て成長していく……ってな話なだけども。途中で出会う悪魔かなんかのシーンがすごかった。何もないところで「クララ、危ないっ」ってフランツがクララをつきとばしたと思ったら、舞台袖からイキナリ倒れてくる巨大な手。文章で書いても伝わらないとは思うのだけど、このシーンは結構笑えた。手が出てきた瞬間もその唐突さがおかしかったんだけど、「うわーっ、やめろー」か何か言いながら、フランツが自らその手を自分の体に巻き付けようと必死になってるのがめちゃめちゃおかしかった。コレは私だけじゃなく周囲も結構笑っていたようだったけれど。

さてクライマックス、くるみ割り人形にされてしまったフランツを救うため、クララが火の中に飛び込んで人形を取って放り投げる……と、まぁここまでは良かったんだけど。人間になったフランツが登場するのは予想通りなんだが、突然ワイヤーで吊られて上から登場のフランツ。腰の2点吊りでまるで体操選手のようにくるっくる くるっくる回り始めるからビックリ。しかも、この回り方があまりにもぎこちなくてもう……笑いそうになってしまったんだけど。いや、野沢さんの名誉のために書いておくと、フライングってそれだけで難しいらしいのだけど、2点吊りで回るなんてアクションやってない普通の役者はずいぶん稽古しなきゃダメって話を聞いたような気がする。こんなの急な代役が簡単にこなせるわけないから、まぁ仕方ないといえば仕方ないんだけど。しかしさらに驚いたのはここから。ワイヤーが足にからまったのか、足をばっくり開いてほとんど逆さ吊りという明らかに不自然な姿勢でフランツがびたっと止まってしまったんだな。しかもその体制のまま溶暗して何事もなかったように袖に消えていった日には……。これ、観てないと解らないと思うんだけど、感動的なクライマックスで予想もつかないような体勢で吊られた人が現れるっつーのは、はっきりいってエリザベートのラストと同じくらい笑ったシーンでした。はい。実際本番ではこのシーンがどうなったのかどなたか掲示板で教えてください。もう、このシーンのせいでエンディングまで笑いがこみ上げてこみ上げて。帰り道もどうしても笑いが止まらなくて思わず友人に電話してしまいましたわ。

まぁ全体的にはちょっと脚本が説教臭くて難あり。特にオープニングなんかは現代の設定にしなくても良かったんじゃなかろうか……あまりに寒くて……。曲は、歌のないところでも結構ちゃんとオーケストラが演奏を聴かせてくれるのでそういう点では良かったのだけど、耳に残るメロディはナシ。アレンジはいいんだけどね。演出は……まぁ、それなりに空間は埋めてるし大変な場面転換もそれなりに巧く処理してはいるけれど、あまり印象に残るシーンもナシ。主演の中山エミリちゃんはなかなかの好演。顔も体も小さいのが舞台役者としては残念だけど、ひたむきな表情も歌も良かったなぁ。東宝ミュージカルあたりなら見劣りせず舞台に立てるんじゃなかろうか。あとマリー姫の宮崎優子さんが、ワガママでイヤなヤツをそれでも可愛くイキイキと演じていたのが印象的。……ずいぶん長くなってしまったけど、このへんで。



Date:2001.12.23.
▼昼、国立劇場で「三人吉三」を観た。実は国立劇場初体験だったのだけど、3階席(でも2階席から続いてるから気分は2階席)の最後列からでも花道がちゃんと見えるのが嬉しい。これで1500円は安いな、確かに。さて芝居のほうはコクーン歌舞伎バージョンが印象深かっただけに、やっぱり何かと比べてしまう。コクーンでカットされていたシーンを観ることができて良かったけど、なるほど省略されるべき箇所が削られていた感じだった(結構眠かった)。正月にBSで放送されたコクーン版も後で改めて観て思ったのだけど、なんというかお互いに「古典ならではの良さ」と「現代的な演出の良さ」があるのだなぁと再認識。この演目は断然お嬢吉三のキャラクターが好きなのだけど、国立版の染五郎さんのほうがキレイという意味では断然キレイだった(遠目でみたせいか?)。ただ、男の顔をしている時と女のふりをしている時のメリハリがあるのは福助さんだったようなきがする。大詰も、コクーン版は三人が死ぬところまでやっていたけれど、国立版は三人が見栄を切るところまで。なるほどねぇ。

このふたつを比べて観ていまさらながらに思うのだけど、今年の中村座の「義経千本桜」はやっぱり串田演出で観たかったなぁと思った。古典のよさは国立劇場版にまかせておけば良かったんじゃないか……家の型で比べるよりも、古典vs新演出で比べて観たかったなぁと思ってしまった。まぁいいんだけど。

▼さて夜はパルコ劇場で「ラヴレターズ」観劇。佐々木蔵之介&中嶋朋子ペアで。結構前のほうの席で観たので、ふたりの表情までよく見えた。幸せ。冒頭から10分くらい、緊張していたのか蔵さまの手は震え気味。本が小さく震えていたぞ。手の震えがおさまってからも服の着心地が悪いのか、ジャケットのボタンのあたりを掴んで下にひっぱってみたりして、やや落ち着かない感じ。なんて最初は観てるこっちも落ち着かない気分だったけど、中盤あたりからはだんだん良くなってきたなぁ。ラストで声を詰まらせるあたりなんか、演技かマジ泣きか一瞬わかならなかったので、ちょっと涙腺に来てしまいました。2、3回噛んでたけど気になるほどではなかったし、概ね良かったです。感動。これってやっぱ彼氏とかと見に来るといいんだろうなぁ……(ぼそ)



Date:2001.12.18.
▼劇団☆新感線の「轟天3」千秋楽を見に行く。初日に比べて小ネタが増えたりしてちょっと面白くなっている気はしたけれど、やっぱり前半はちょっと長すぎ。うーん。まあ一度観てるので自分の中のテンションもそれにあわせて調節できるからいいんだけど。それにしても後半の川原さんのアクションシーン、かっこよすぎるーーぅぅ。このシーンにさしかかったときに「しまったやっぱりもう一回観ておけば良かった」とか思ってしまった。アホや。

ちなみに思わず買ってしまったグッズの「轟天スゥイング」(吸盤からぶらさがった轟天人形)、なぜかどこに付けても吸盤がはがれてしまうのに、風呂場の鏡に付けたとたん落ちなくなりました。な、何故……?



Date:2001.12.15.
▼tpt「ブルールーム」を見に行く。10シーンで舞台の設定や登場人物のキャラクターが全然違うから、衣装やセットの変更はどうするのかなー、と思っていたけれど、盆を回しながら着替えやセッティングも演出としてばっちり見せていたので「あぁなるほど」と感心したりして。なるほどこうすれば飽きないやね。最初のシーンのタクシー運転手と少女のシーンは、会話のテンポが速すぎてついていけないままにあっという間に終わっていた。初対面のふたりがあんなにポンポンと会話するもんかね? もっと探りあいな雰囲気じゃないのかなー、と、想像してたのとちょっと違って面食らったり。2シーン目の運転手と女のダンスホール横の小部屋と思われるシーンも、まぁ状況が状況だけにせわしない感じ。まぁここはそうゆう設定だから良いんだけど。3シーン目の学生と女中の組み合わせあたりからやっと落ち着いて観られるようになった。

秋山菜津子さんはモデル役の時にショートボブのカツラをつけるのだが、これでずいぶん雰囲気が変わってしまってびっくりした。さすが。内野聖陽さんは……うーん、髪の毛切ったほうが良かったんじゃないかなぁ? 劇作家とか貴族とかの時は別にいいんだけど、政治家や学生の時は短いほうがいいような気がする。あんな後ろ髪のボリュームのある政治家いるかしら……。彼はどうもナルシストっぽい役のほうが俄然イキイキ演じるような気がするのは気のせいだろうか? 劇作家のシーンなんかは自意識過剰っぷりが面白くて好きだったなぁ。

それにしても内野さんも秋山さんも、個人的には好きな役者さんではあるのだけど、ある種の「役者くささ」があるふたりなので、それぞれ苦手な人は苦手かも……という気はする。この公演は、これはこれでもちろん良かったとは思うけど、「ラヴレターズ」みたいに色んな組み合わせで観てみたい作品だなぁ。



Date:2001.12.14.
▼サモ・アリナンズプロデュース「スネーク・ザ・バンデッド」を観に行く。面白かったなあぁ。いつもどおりといえばいつもどおりのサモアリなんだけど。なんか懐かしいネタやお約束どおりの展開が嬉しくて嬉しくてしょうがないんだよなぁ。久ヶ沢さんの日本語の壊れ方とか、楽しくてしょうがない。次に何をやるか分かってしまうので、先笑いをこらえるのに必至だった。それにしても小松座長は本当に何でも可笑しそうに笑うし、ちゃんと久ヶ沢さんや倉森さんの自分勝手なアドリブをいちいち拾って突っ込んだり可笑しそうに笑ったり、ある意味で演技がとっても巧い人なんだということにいまさら気づいたりして。最後、カーテンコールで久ヶ沢さんが「出てもいないドラマの告知をする」というお約束の展開があまりにも嬉しくて、この時ばかりはつい先笑いしてしまった。ごめんなさい。「恋を何年休んでますか、って言われてもねぇ」だって。くくく。



Date:2001.12.12.
▼シティボーイズ「ウナノッテ」を観に行く。最初は3人でフリートーク、その次にゲストのユリオカ超特Qの漫談。その次に「ウナノッテダイアリー」というコーナーで、3人がそれぞれ用意してきた日記を読み、その次は神田北陽の講談。最後に小学校の校舎にやってきた元同級生……という設定のコント。そんな2時間。まぁ予想通りといえば予想通りのヌルーい内容で、一番面白かったのはきっと「サンタクロースとであったねずみ小僧」という設定の講談を力いっぱいやってくれた神田北陽だったような気が。ちゃんとコントらしいコントは最後の20分くらいだったんだが、設定とおおまかな流れだけ作っておいたような感じで、中身はゆるゆる。ま、1日限りのライブだし、こんなもんなんだろうな。言っちゃうとファンのためのイベントみたいなもので、作品としてはとても観られない感じだった。



Date:2001.12.11.
▼ミュージカル「GODSPELL」を見に行く。あー、なんかもったいないなぁ。曲はいいんだがそれ以外が……。サイズ的にルテ銀でやるような芝居じゃないんだよなぁ。青山円形劇場とかでやったらかなりいいカンジでパワフルな舞台になるだろうに。せめて博品館サイズか? もとは'71年のオフ・ブロードウェイの作品だというから、もっとこじんまりした舞台だっただろうに。客の入りも1/2強程度なので、スカスカ感は否めない。

内容は、マタイ福音書をベースに解体&再構築したカンジ……って、これ、どっかでみたような作風。あっっ、あれだ! 劇研だ! 全盛期の東京オレンジか、ハイパーコラージュやってたころの山の手事情社みたい。そう気付くと、大沢樹生が一番輝いてたころの堺雅人に見えてしょうがない。ああ、芸風があのころの堺王子だ! 体の動きも表情の作り方もまるで堺王子。しかも女優に対馬よう子風の人もいる! デジャヴ! ……なんて思い始めると、気持ちの中ではもう早稲田劇研アトリエでミュージカル観てる気分。それはそれで、懐かしくて面白かった。しかし衣装はもうちょっとセンスいいものにできるんじゃないだろうか。あれはちょっと恥ずかしい……個人的には、もうちょっとどこかに統一感もたせるとかして欲しい気も。特にユダが女装で出てくる2幕のアレはいかがなものか……いっそゴリゴリのボンデージ&ピンヒール&網タイツとかでドラッグクイーン化しちゃったほうが良かったのでは。そういえばROLLYのユダ役とかムダに似合いそう。

役者も山本耕史&大沢樹生ではちょっと中途半端だろうなぁ。いや決して二人が悪いわけではないのだけど、歌を聴かせるならもうちょっとミュージカル寄りの配役にして欲しい(石井一孝&岡幸二郎とか、ありがちだけど無理なくハマりそう)。オープニングとかは特に、もっと二人ともカリスマ性がある人のほうがいいと思うんだよなぁ。ストーリー性があまり関係ない内容だけに、歌をたっぷり聴かせるキャスティングのほうがいいような気がした。あと、話の構成からして、キリスト役は山本耕史みたいなタイプでなく、もうちょっと小手先の器用な役者(感情表現よりも口先で小器用にセリフ回しができるタイプ)のほうが良かったかも。いや、そういう役者ってあんまり好きではないし、むしろ山本耕史みたいに真摯なセリフが言えるタイプのほうが役者としては好きだし、終盤はかなり良かったとは思うのだけど、前半のごちゃごちゃと遊ぶシーンなんかがちょっとツライんだよなぁ……。そういう意味では大沢樹生はかなり巧く見せていたとは思うけど。

……でなければいっそ、商業的に成功させるために演技力や歌唱力はおいといて、若手の華のある役者orタレントを連れてくるとか。ちょっとこのキャスティングでは無難だけど話題性に欠けるんだよね。どーにも。



Date:2001.12.08.
▼「四谷怪談」初日。開演がおしたり第二幕もだいぶおしたりしていたので、6時半開演で終演が11:10! 遅いよ! 駐車場なんかも10:30で閉まってしまうらしいので、開演前から「24時間営業の駐車場をご利用下さい」なんてアナウンスも。公式発表では10:35終演のはずだったのに……まぁ仕方ないか、初日だし。

ネタバレが嫌な人はこの先は読まない方がいいと思うけど、蜷川演出をご存じの方にはまぁ想像はつくと思う。オープニング、幕が上がると当然のように搬入口が開いていて、駐車場で「クール宅急便」なんてトラックが動いているのが見えたりする。もはやいつも通りすぎて失笑。目新しいところといえば、回り舞台の下を思いっきり見せてしまっていること。通常は舞台の下を隠している板をとっぱらって、舞台下で男たちが一生懸命舞台の盆を回しているのを照明当てて見せてしまっているんだな。その男たちってのが、泥まみれ&ふんどし姿なので、まるでゴキブリコンビナートの役者のようなんだけど。

もともとの「四谷怪談」を観たことがないのでなんともいえないのだけど、セリフなんかは特に現代語訳せず、古典をそのまま使ってる感じ。広末涼子も着物姿はキレイで可愛いのだけど、やっぱり「〜わいなぁ」なんて言い回しがちょっとぎこちない。さすがに竹中や高嶋なんかは巧いもんで、このへんのセリフもうまくこなしていたけれど。村上淳も悪くないけど、このへんのセリフの言い回しについてはまだ及第点ってとこかな。でも後半に向けて良くなっていくんじゃないかな。声の通りは良かったから、結構舞台にも向いてるかも。持田真樹も意外にしっかりセリフが聞こえたなぁ。ちょっと残念だったのは、竹中直人の立ち回りがあまり美しくなかったこと。そういう意味では高嶋政伸のほうが型にハマっててキレイだった。

東京スカパラダイスオーケストラの音楽は……うーん、楽曲自体はまぁいかにもスカパラなんだけど、使い方がちょっといただけない。同じフレーズを役者の登場のたびに何度も繰り返し使ったりするから、ちょっとそのへんがダサいんだよなぁ。終盤の立ち回りのところでスカパラが爆音でかかるのは「おお!」と思ったのだけど、その後すぐに「いかにも蜷川さんが使いそうな音楽」に切り替わってしまうので、「あ〜あ」といった感じ。

本をもっとすっきりさせてセリフも現代の口語体にして、もっと派手な演出で全編スカパラの音楽でスピーディーな展開……っていうのを期待していたので、正直、期待はずれ。なんか、「蜷川さんが演出して歌舞伎役者を使わないコクーン歌舞伎」みたいな雰囲気になっていた。ラストに至っては、オープニング同様後ろを開けて、登場人物がめいっぱいでてきてわいわいやってるところに、伊右衛門役の竹中がなぜかスーツでくたびれたサラリーマン風の格好で迷い込んできて……っていう終わり方。もはやあまりに意味不明なので、演出してるのは蜷川さんのクローンじゃなかろうかと思ってしまった。意図とか意味とかナシに、とりあえず「蜷川的演出」やってます、みたいな……。最近セルフパロディで乗り切ってないか? 蜷川さん……。



Date:2001.12.07.
▼ 昼間、取材の立ち会いで東京乾電池の稽古場へ。柄本明氏はとっても優しいおじさまだった。ベンガルさんがびっくりするくらい赤い顔をしていたけれど、大丈夫なんだろうか?

▼新感線「直撃!ドラゴンロック3〜轟天 対 エイリアン」初日を見に行く。bbsにも書いたけど、第一印象は「うーん……」な感じ。いや、確かに期待しすぎってのは大きいと思う。だって「轟天2」は壮絶に面白くて、新感線のネタモノ芝居ではベスト1なくらいに笑ったのだもの。今回は、なんかストーリーを説明しがちでネタの密度が薄まってる気がした。話のつじつまとかはどうでもいいから、もっとネタを詰め込んで欲しい! なんだかプロローグに45分くらいかけてる感じがしたし。何のために宇宙に行くのかってあたりのくだりは15分でまとめて欲しいなぁ(でも、逆に言うと「意外にもしっかりしたストーリー」だったので、脚本家としてのいのうえさんの才能をちょっと見直したりもしたのだけど)。あと赤坂ACTが広すぎる上に客席が2/3くらいしか埋まってないので(涙)、客席の熱気も薄まってる感じ。とほほ。ネタモノはやっぱりアプルくらいのサイズで観たいなぁ。あんまり広いと後ろまで面白さが伝わらないんじゃなかろうか……。

しかし、ファンのツボを確実に突くようなキャラクター設定は、ちょっとズルい。パンダの「ケンケン将軍」がちょっとヤバいくらいに可愛いので、ここしばらくお楽しみがなかった粟根ファン的には「待ってました!」な気分に違いないし。新谷さん演じる「プリンセス・シンシン」も、一部男性ファンにはたまらないようなセリフをガンガン言ってるし。あとパンダラ星人の川原さん@アクションクラブがあいかわらずカッコイイんだなー♪ 大勢で立ち回りやってる時でも、あの長い手足と華麗な動きはそうと解ってしまう……。それに、なんといっても成志さんがブラックジャックな出で立ちで演じる「Dr.ジャッキー黒井」にラブ! 後半のパンダ姿も可愛いっっ。キャラ設定的には前回の2の時と同じではあるのだけど、でもあの胡散臭さがたまらないー。やっぱり成志さんは新感線でみるのが一番楽しいなぁ♪ 逆に、ちょっと残念だったのは小手さん。もちろん悪くはなかったのだけど、彼もどっちかっつーと勝手なことをやって引っかき回すのほうが得意なキャラだけに、同類(?)の轟天と組まされるのはやりにくいだろうなとちょっと思った。基本的に遊びの少ないマジメな役っつーのは、あんまり彼の面白さが生きないだろうなぁ。

あとちょっとどうかなぁと思ったのは映像の多用。背景を映像で処理しちゃうのはもはや演劇的にはルール違反なのでは? やりすぎると演劇である必要がなくなってしまうような気も。金かけられるようになったのはいいことだけど、どうせならもっとしょーもないことに金かけてほしいなぁ。



Date:2001.12.05.
▼東京グローブ座にアガサ・クリスティ原作の「蜘蛛の巣」を見に行く。増沢望氏めあてに行ったようなものだが、最初と最後しか出てこない旦那役だったのでちょっとがっかり。でも久世星佳さんかわいーー。あの「OUT」のかっちょいいおばちゃんと同じ人とは思えない。作品自体はまぁまぁほどよいまとまりで、「ものすごく面白い!」ってわけでもないけれど、その心地よいヌルさが疲れた体にはいい感じで観られました。3時間弱と長めの上演時間ではあるけれど、軽い作りなのであんまり疲れなかったし。山田和也はやっぱりコメディの演出家に徹したほうがいいんじゃないかな……なんてちょっと思ったり。東宝作品もミュージカルとかよりもむしろ和モノの芸術座作品とかを手がけたほうがいいんじゃなかろうか、とか思ってしまった。

それにしても、不満があるとすればあのショボーい舞台美術!
ありゃ何なんだ、もうちょっとしっかり作り込んでくれよ! いまどき素人の小劇場でも作らないような、高校生レベルのチープ感ただようセット。あればっかりはいただけないわ。家具とか壁とかの木の質感があまりにあんまりなので、幕が上がった瞬間に一瞬帰ろうかと思いました。8000円のチケット代を考えて思いとどまりまったけど。あと、細川俊之氏が「体力に自信がない」とかで降板してましたが、見る限り体力的な不安を覚えるような役ではなかったのだけど……もしかして本当にかなりヤバい病気なのか、それともセリフを覚える自信がなかったかのどちらかではないのかと邪推します。