ウラPlay News  〜言いたい放題観劇雑記帳〜
このページはオイラの個人的な覚え書きであって某情報誌とは一切関係ありません。また芝居の感想についてはその日の体調や個人的感情によって著しく左右されております。間違っても劇評なんて高尚なモノを書いてるつもりは毛頭ございませんのでご了承下さい。

*ほぼ敬称略*


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Elisabeth

もっと昔のヤツ
reviews

Date:2002.07.31.
▼「ジャン・コクトー 堕天使の恋」取材。逆三角形の上半身とスラリとした肉体のバレエダンサーとかが5人も目の前にいると(しかも海外で仕事してる人が多いから、英語で冗談とか言ってるし)、なんかもう、劣等感すら通り越して、自分が人間以外の別の生き物になった気がしますな。とほほ。



Date:2002.07.30.
▼「ラ・マンチャの男」プレビュー公演@帝国劇場。相変わらずこの作品での幸四郎パパのセリフは流暢すぎて聞き取りづらいなぁ。まぁ、話を知ってるから影響はないけど、初見の人にはあまり親切ではないかもしれない。ま、今回のポイントはなんつってもアルドンサ役の松たか子嬢でしょう。迫力の点ではやっぱり前にみた鳳蘭さんのほうが上なのだけど、若さと華やかさで言ったら断然たか子ちゃんのほうが上。そういう意味では見ていて楽しい。ただ、どうしても「♪どぶの中で生まれたあたいさ」には見えないのもね。やっぱり、お嬢様ががんばってあばずれ女を演じてるように見えてしまう。一生懸命気を張ってあばずれ感を出そうとしてるのが見えてしまうので、月影先生なら「マヤ、あなたの演技は観る人を疲れさせます」とか「亜弓さん、あなたの演じるアルドンサはお嬢さまが野良猫の真似をしてるだけね」とかいいそうな気がする。歌については……「VOYAGE」くらいの音楽劇なら、ある程度歌えれば大丈夫だけど、さすがに本格的なミュージカルだとどうなんだろう……と、正直ちょっと不安だったけれど、想像していたより断然良かった。ミュージカルの人と比べてものすごく巧いわけではないけれど、変わりに表現力は豊か。ちょっと鳥肌なシーンもありました。大竹しのぶさんとかもそうだけど、演技力のある歌というか。かなり頑張ったんだろうなぁ。ワイドショーや新聞では胸を揉みしだかれる場面だけが取りざたされてたけど、輪姦シーンのほうがよっぽど激しかったんだが……まぁ、あくまで振り付けの中でマワされるだけなので、リアルな輪姦ではないのだけど、それでも「あぁ松たか子ちゃんがあんな目に!!」という意味では充分に衝撃度高いというか。たか子ちゃんファンは必見(?)かも。

ちょっといかがなものかと思ったのはキハーノ(=ドン・キホーテ)の臨終シーンか。鳳蘭さんのアルドンサがキハーノを訪れて「名前を呼んでおくれよ……」という時は、妄想だと解っていてそれを受け入れ、「あぁ彼の妄想によって彼女は救われたんだなぁ」と素直に思えたんですが。今回はなんだか輪姦されてボロボロになった彼女が、自分を救うためにキハーノの妄想にすがってるように見えて。「あぁキハーノが一生かけて成しえた夢って、アルドンサを狂わせることだったんだ」なんていうブラックな解釈が浮かんでしまって。それはイヤだなぁと思ってしまった。



Date:2002.07.29.
▼少年王者舘KUDAN Project「真夜中の弥次さん喜多さん」@シアターグリーン。実は買ってあったチケットは30日のものだったのだけど、直前になって取材のせいでいけなくなってしまったため劇団連絡先に電話して「29日に変えてもらうことはできますか?」と聞いたら快く変更してもらえた。こういう時、小劇場の気安さが嬉しい。ありがとう少年王者舘! で、舞台はというと。これが今年のベスト10にランクインするイキオイで面白かった! あの原作をどう料理するのかと思ったらコレが見事な手腕。基本的に畳&障子の一室で展開するふたりの会話だけなんだけど。所々でフラッシュバック的に部屋全体に投射する映像、奇妙な小道具、壊れたレコードのように何度も繰り返される同じ会話……それぞれが上手く組み合わさって、なんとも言えないトリップ感。なんだか不条理な夢を見ているような、不安定な世界にいる不安感と、まどろみの中の気持ちよさ。そんな心地よい酩酊感が続く舞台に「あぁこのまま何時間でも眺めていたい」と思ったりして。最後のほうでは弥次さん喜多さんを演じるふたりの役者さんの表情だけでなんだか幸せな気分になってしまったなぁ。哲学とナンセンスは紙一重なんだとふと思ったり。結構ちゃんとした舞台美術だったにも関わらず、ラストは屋台崩しで全てのセットを消し去るという荒技も(見てないけど前回のKUDAN Projectもそうだったらしい)。なんだか見事な手品を見た気分になってしまった。ああ、面白かったなぁ。再演してほしいなぁ。



Date:2002.07.27.
▼グローブ座カンパニー「ヴェニスの商人」@東京グローブ座。強欲なユダヤの商人シャイロックに対し、キリスト教徒たちがこてんぱんな目にあわせる物語(←要約しすぎ?)。確か私が最初にこの演目を見た時は(どのカンパニーで見たのか忘れたけど)、シャイロックを冷静で理知的な人間に描き、ユダヤ人という理由だけで彼を迫害するキリスト教徒たちの傲慢、といった演出がされていたような気が。それが印象深いので、今回はどういう演出にするのかな、と思っていたけれど。シャイロックを徹底した悪者とは描いてないけれど、基本的には「悪いヤツ」の立場で描いてる。まぁ子供向けだけにあんまり複雑な演出はできないかな。でも、これなら伊沢さんのシャイロックには憎々しげながらももうちょっと愛嬌が欲しい気も。そうでないと、最後の彼の絶望があまり生きてこない気が。

このシリーズは私の中で「リア王」が最高傑作だけに、今回はそれを超えるまでは行かなかった。人形の役目もだんだん曖昧になってきてる気がするし。でも、好きなシリーズだっただけに、今回で最後なのは残念。今回の作中にも、シリーズを1話目から振り返るようなフレーズがあったりして、ちょっと切なくなってしまった。劇場が休館しても、なんらかの形でつづいてくれればいいのだけど……そんでもってシェイクスピア全作品上演するまで続けて欲しいんだけどなぁ……。明楽哲典さんとか大好きだったんだが……残念。



Date:2002.07.26.
▼珍しいキノコ舞踊団「New Album」@世田谷パブリックシアター。'98年の「私たちの家」を夏の海の別荘に移したらこんな感じ……といった印象。白を基調にした広々とした明るい空間に、椅子やテーブル、棚なんかが点在。涼しげな格好の女の子たちが、浮き輪なんかと戯れる、奔放で、気持ちのいいダンス。今回は2部構成で、休憩をはさんで約1時間半。休憩中にロビーに出ると、「ご自由にお持ち下さい」と花火や駄菓子がもってけ状態。お客さんが子供の顔になって物色しているのが楽しい。後半の幕が上がると、さっきまで床にあったテーブルや椅子が空中に吊られて、ちょっと照明のトーンも変えて。キノコらしい作品で心地よい気分を楽しみつつも、やっぱり劇場以外の空間のほうが、彼女たちのイマジネーションはもっと自由に広がるんじゃないかな、とも思ったりもして。



Date:2002.07.25.
▼bound「恋愛考」@こまばアゴラ劇場。この劇団は初見。舞台美術は面白いかなぁと思ったけど、舞台の向こうにも客席があって、こういうのは正直作品に集中しにくいからあまりよろしくないと思うんですけど。むこうの客席や、客の表情まで丸見えなんだもんなぁ。せめて客席はもうちょっと暗くして見えないようにしてくれないと。具体的なストーリーはなく、テキストをもとにシーンの断片を繋いだような構成芝居。「“はい”か“いいえ”で質問して、そしたら答えてあげる」「はい?」「いいえ」「いいえ?」「はい」みたいな、抽象的な会話が一組のカップルの間で展開される。組み合わせを変えて同じ会話を違った雰囲気で繰り返したり……といった内容。正直ちょっとぴんと来ない。もうちょっと感情表現の豊かな役者たちがコレをやったら深読みのしがいもあるんだろうけど、この舞台に登場する役者たちの演技はどっちかっつーと無機質っぽい感じなので、記号的に怒ったり喜んだりしてるようにしか見えない。各個人の感情を表現しているというより、「演出家が怒ったように演じなさいといったから怒ってるふりをしてます」というようにしか見えないんだな。だから、男女が会話していても、その二人に「恋愛」を感じることができない。エロがないのだ。まぁ一部それを感じられる役者さんもいないでもないんだけど、ほとんどの役者さんがあまりに無機質で……。もうちょっと、「もう絶対に別れたほうが自分のためなのは解ってるんだけど、このダメな男には自分しかいないような気がして別れられなくて、殺してやりたいくらい憎い気持ちも強いんだけど、でもいっそのこと心中してもいいと時々思ったりするくらいに愛してる」なんていうくらいの複雑な気持ちをにじませつつあの会話をしてくれたら面白かったかもしれないんだけどなぁ。なんともはや。まぁ企画公演つーことであまりコレだけでは判断できないんだけど。



Date:2002.07.23.
▼「海の上のピアニスト」@東京芸術劇場(中)。プレビュー公演ということで、市村さんは台詞に一部アヤシイ部分があったような気が……気のせいかなぁ。舞台の下手にピアノ、上手に階段状のセット。この階段がもう回し過ぎだっていうくらいぐるぐるぐるぐる回ってる。昔「奇跡の人」で舞台回しすぎ!って感想がよく聞かれたけど、今回はそれ以上に回しすぎのような。ピアノ演奏は添え物ではなく、かなり重要な位置を占めている。市村氏のひとり舞台というより、ピアノと市村さんのふたり芝居という感じ。このピアノの演奏を思いっきり役者の演技に絡めた演出はなかなか面白い。ただ、東芸の中ホールはちょっと大きすぎるか。もう少し小さい箱で贅沢に楽しみたいような、そんな芝居だった。稲本響氏の演奏はなかなか聴き応えあり。サントラ欲しいかも。



Date:2002.07.20.
▼維新派「カンカラ」@岡山県犬島。個人的には去年の「さかしま」が奇跡のように素晴らしい作品だっただけに、今回はいまひとつ。これなら南港でもできるんじゃないかとか、維新派ならもっと舞台に奥行きが欲しいとか、ちょっといろんなところでツメが甘いんじゃないかとか思ったり。愛嬌のある妖怪(?)たちの登場するキャバレーのシーンなど、今までみたことのないような要素もあって、目新しい場面もあったけど。でも、銅製所のシーンなんかはホントにあの場所ならではだし、失われた過去が現在に蘇ったみたいで、ちょっと息を呑んだりもした。しかし、ラストで「花びら」の金銀の紙吹雪が振るのは実は予想がついていた……というのは、開場前に客席のウラあたりをウロウロしていたら、昨日の公演の名残を拾っているスタッフの姿が目に入ってしまったから。さらに発電所後とか行ったら煙突に向けてライトがセッティングされているのも見てしまうし。「あぁぁ、私たち今、見てはイケナイものを見てしまったんじゃないの!?」なんて同行者と嘆いたりしてしまった。開演前はあまり重要なポイントをウロつくもんじゃないなぁ。とほほ。

まぁ、否定的なことを書きつつも、飛行機にのって岡山まで飛んで、船にのって犬島に渡って、島巡り・廃墟めぐりをして、去年より大規模な屋台村で酒飲んだりして、充分楽しんだので行って損は無かったんだけど。デジカメ写真はのちほどアップします。



Date:2002.07.19.
▼坂東玉三郎舞踊公演@ル テアトル銀座。ぴあで割引販売していたB席8,400→6,000円のチケットで観劇。実は初めて観る玉さまの舞踊でしたが、いやもう本当にため息モノの美しさに思わず感涙。実はいままで歌舞伎座でも踊りの演目は苦手で、ほぼもれなく天に召されてたのですが(ぉぃ)。動きだけで800人近い観客を支配し、そして別次元に連れて行くことのできる存在が、いま目の前にいる……そんな奇跡に思わず涙すらしてしまいました。よく言われる言い回しですが、この役者と同じ時代に生まれたことに感謝してしまいます。少しくらいゴシップで騒がれても、有無を言わせぬ芸を持っている役者には、ファンは付いていくものなんだなぁと改めて実感しました。かつて不倫で騒がれた頃、真田広之のハムレットを観たときや、1000人斬りと噂される藤原竜也を舞台で観たときもそう思いましたが。「これだけの演技を見せてくれるなら、少しくらい騒がれても関係ないわー」と見惚れたものでした。

一本目の「雪」は、ろうそくが一本立つだけの薄暗い舞台にて。動きが少ないのに引きつけられる、なんとも厳粛な美しさのある演目。次の「鐘の岬」は一転、ちょっと明るい春っぽい空気の中で。鐘がちょっとショボい気がするけど、「雪」よりは動きもあって華やか。しかしなんてなめらかに舞うんだろう。あれだけキレイに袖を動かすのって、何気なくやってるけど凄く難しいことなんじゃなかろうか。そんでもって最後の「楊貴妃」。琴や鼓弓のオーケストラも耳に心地いい。衣装も品のある豪華さ。しかし、なんかもう、別次元の美しさというか。人間じゃないのね、もはや。とにかく美しくて、ひとりで別次元の異世界を体現してしまう玉様という存在にひたすらおののく。そして涙。舞踊を観て泣いたのは初めてですわ。はー。感涙。



Date:2002.07.16.
▼ブロードウェイ・ミュージカル「クラス・アクト」@赤坂ACTシアター。今は亡き「コーラス・ライン」の作詞家、ロニー・プライスの半生。作詞家としてはトニー賞なんかも取った彼だけど、本当は作詞だけじゃなく作曲で認められたくて、でもそれが叶わぬうちに若くして夭折、という物語。ほぼセット無しの素舞台で展開するので、赤坂ACTの広さではちょっとスカスカ感がある。こういうのはもうちょっと狭い劇場でやってほしい。PARCOサイズが限界じゃなかろうか……。曲もまぁまぁだし、こじんまりとした作品ではあるけどよくできてはいる。ただ字幕のタイミングの悪さや、省略されてる箇所があるのか、解りにくい訳がちょっと気になる。英語が解ればもうちょっと理解が深まったのかもしれないけど。ラストの「取れよ、相棒」の台詞も字幕に出てなかった気がするし……。「いい舞台なんだろうなぁ」とは思うものの、いろんな要素のせいでそれがまっすぐ心に届かなかったのは残念。



Date:2002.07.15.
▼猫のホテル「キャノンボール・ハイ」@ザ・スズナリ。刑務所に入れられた男が、自分のファンという男を遠隔操作して、自分を陥れた犯人を探す……というサスペンスチックな物語。いつもそうなんだけど、中盤までまったりと展開しておきながら終盤で急展開してしまい、急に黒幕が解ったりしてしまうので、ちょっと拍子抜け感は否めない。でも、動物電気とは違った狂気を見せてくれた小林健一氏にちょっと惚れ直してみたりして。小ネタもヒット率高いし、ここ最近の猫ホテ作品の中では割と好きかも。



Date:2002.07.14.
▼昼、「桂春団治」@新橋演舞場。芸人としては人気があるけど女関係はだらしない、破滅型芸人・桂春団治の半生。タイトルロールを演じるのは中村勘九郎さんなんだけども、後半はともかく前半は愛嬌ありすぎてあまり困ったちゃんに見えない。もっと破天荒に演じてくれないと“中村勘九郎”に見えちゃうんだよなぁ。なんかすごくスマートに遊んでそうで、“女関係はダメ人間の春団治”に見えないんだよね……。まぁそれでも後半は良かったけど。しかし藤山直美ってやっぱりスゴイ女優だなぁと思ったりして。それまで笑ってた客席も、直美の一喝でシンとするし、直美の一言でたった一瞬のうちに泣けてしまう。まぁベタベタすぎるくらいの人情喜劇なんだけど、中村勘九郎×藤山直美コンビにはやっぱり安心感がある。さすがに立ち見が出るほどの大盛況だけあります。

▼夜、水性音楽「濃縮ナショナルキッド」@ウエストエンドスタジオ。この劇団は初見。うーん、ナイロン100℃とロリータ男爵を混ぜて少年社中が演出したような感じ(=ナンセンスな脚本に歌を入れて熱血活劇風に演出)。あ、でも歌はロリ男より上手いかも。全体的に、面白くなりそうなところもあるんだけど、いまひとつ笑えるところまで転化できず。ナンセンスやるなら役者の間の取り方はもうちょっと研究すべきか。



Date:2002.07.13.
▼カルリーン・プラハ・オペレッタ劇場「こうもり」@新宿文化センター。e+のハーフプライスが出ていたので4500円。まぁこのお値段なら充分楽しい公演かも。9月に新国立劇場のバレエでこの曲を使うというので聴いてみたら、結構気に入ってしまったのでオペラを見に行ってみたのだけど。ツアー公演らしく舞台美術はまぁそれなりという感じではあったものの、わかりやすいし笑い所もあり、オペラ初心者には楽しい舞台だった。五日間刑務所に入ることになっているのに遊びに行こうとする夫と、昔の恋人に言い寄られてる妻、そして遊びに行くために嘘をついて暇をもらったメイドが、公爵邸での仮面舞踏会でばったり出会い……といった内容のドタバタ喜劇。先週みたワシントン・オペラに比べると、客席のテンションも低く着てる服もみんなずいぶんとカジュアルなので、なんとも気楽な雰囲気の観劇。ただ開演してしばらくしてから入ってきて近くに座ったおばちゃんが、上演中にも関わらずいきなり客席で寿司を食べ始めたのには参ったけど。隣の人、注意してやれよ……ここは歌舞伎座でも演舞場でもないんだから。



Date:2002.07.12.
▼THE・ガジラ「藪の中」@世田谷パブリックシアター。お友達に取ってもらったチケットが、D列だというからまぁ4列目くらいだろうと思っていたら、なんと最前列でちょっとビビる。ね、眠れない……(ぅぉぃ)。オープニングはスピーカーから聞こえる取り調べ官らしき人の声と、村人や僧侶との掛け合い。鐘下作品らしく絶叫芝居なので、この次点でちょっとうんざり気味。疲れるんですよ、舞台のテンションの高さに……。まだそれが必然性がある場合なら良いんだけど、今回はちょっと。取り調べ官の声がスピーカーからというのもいただけない。役者がやればいいのに……。声に個性を与えないなら、顔をさらさずシルエットにするとか、色々方法はあるだろうに。スピーカーからの声が延々続くのはちょっと演出効果としていかがなもんだろう? 疑問。小林勝也氏の存在がなければ、途中で帰りたくなるところだった。30分くらいたってようやくメインキャラ登場。一安心。まぁここからはそれでもだいぶ観てられるようになったけど。目の前で内野聖陽氏が高橋惠子さんを犯しているときはちょっと目のやり場に困る。しかし高橋さんキレイだなぁ。いくつなんだ、あの人。そういえば新国立劇場の「マクベス」の時もそうだったけど、何故鐘下さんの舞台の殺陣シーンはあんなに重そうで大きな剣や刀を使うのだか。役者が振り回されてるような印象すらあるあの巨大な刀に何の意味が? 謎。「あれが飛んできたらマジでケガするなぁ」と思いながら観ていたら、反対側の客席のほうに内野さんの剣がすっとんでいってた。こ、こええええ!!! すぐに舞台下に降りて剣を拾っていたが、「こっちに飛んできたらどうしよう」とヒヤヒヤしてしまった。はー。怖い怖い。



Date:2002.07.09.
▼「Swing!」初日@オーチャードホール。招待客が多いのか、受付がものすごい混雑&混乱ぶりを発揮していた。さすがテレビ局がらみの公演というか。さて本編。ダンス中心のレビューなんだけど、演奏や歌にもそれぞれ見せ場があり、ショーとしてかなり巧く構成されていました。フィギュアスケートなら反則&減点スレスレのアクロバティックな大ワザがてんこ盛り。ただFosseみたいなフェティッシュなエロが好きな方には、あまりに健康的でエロさのない振付が物足りないかもしれない。なにせチアガール風にパンツもろ出しで大股開きだし。Swingはダンスをみるというより、ある意味スポーツ観戦のノリに近いのかも。3階席の後ろのほうから観ていたのだけど、オーチャードのような大キャパの箱でも充分楽しめる内容だった。満足。



Date:2002.07.08.
▼昼、渋谷でハイレグジーザスの河原総代に取材。活動休止について色々聞く。

▼夜、サモ・アリナンズ「ルーシー26」@本多劇場。松尾さんや宮藤さん、阿部さんなど大人計画関係者がヤマほど来ていて「何事!?」と思ったが、そういえば荒川良々氏が出ていたのね。本編は……うーん。導入部に1時間はちょっと長いかなぁ。客演陣も荒川さんをはじめ三宅弘城さん、ユセフ・ロットフィさんと、かなりそうそうたる顔ぶれのわりには使われ方もいまひとつ。サモアリ好きなのであまり悪くはいいたくないけど、今回はちょっと……。ラストも後味悪そうなブラックな落とし方してるんだけど、クライマックスで気持ちが乗り切れなかったので、「ふーん」という印象。もうちょっとクライマックス部分で感動させてくれたら、あのラストももっとイヤな感じで印象深かったのかもしれないけど、ちょっと中途半端か。まぁ、久ヶ沢さんのマッチョなドラえもん姿には笑ったけど……。



Date:2002.07.07.
▼パンタロン同盟@ラフォーレミュージアム原宿。拙者ムニエルの村上大樹、ナイロン100℃のKERA、大人計画の松尾スズキ、星屑の会の水谷龍二……と、まぁそうそうたる作家陣の揃ったコント集。しかもゲストが明石家さんまということでかなりのプレミアチケットになっていたけれど、某掲示板でゆずっていただきました(ありがとうございます)。清水宏は開演前からひとり暴走していて「あぁこれでこそ宏!」とちょっと感涙。コントはまぁ面白いのもあればそうでないのもアリ、という感じ。もうちょっと作り込まれてればなぁと思う場面も。松尾さんの作品はもうコントというより芝居という雰囲気で、笑いを求める観客にはちょっと厳しかったかも。松尾さんらしい話だったけど。ゲストのさんま師匠は24時間テレビの直後だったようで、ちょっと疲れ気味か? と思いきや、たっぷり45分くらい出演していて(しかもノーギャラらしい)、その間ほとんどしゃべりっぱなしなので本当にスゴイ人だと思った。どんな細かいところもちゃんとツッコむし、ちゃんと拾うし。あれはほんと一種の職人芸だと思った。ほとんど素に戻っている清水宏や春風亭昇太が半ば素人に見えたりして。



Date:2002.07.06.
▼ワシントン・オペラ「スライ」@NHKホール。オペラに詳しくないくせに滅多に上演されない演目を選んでしまった。しまった……。この日はワシントン・オペラ来日公演の初日つーことで、客席のテンションが高い。これだけ舞台を観てると開演前の客席の空気でだいたい観客の舞台への期待度が解るんだけど、今日はその期待度がかなり高いのが解る。客席に入った瞬間に観客が軽く躁状態なのが解るんだな。開演したとたんにかなり前のめりで観てる感じだったし。さてどんな話かというと。詩人のスライが酒場で酔っぱらっていると、そこに居合わせた金持ち伯爵の気まぐれで、伯爵のお屋敷に拉致られてしまう。スライが寝室で目を覚ますと「ご主人様が気付かれた!」と、召使いたちが大喜び。スライは長い間夢をみていてようやく気が付いたということになっているのだが、もちろんこれは伯爵のいたずら。最初は信じなかったスライも、伯爵の愛人・ドリーが妻だと言われてだんだんその気に。スライの心のこもった優しい言葉にドリーは心を奪われてしまったが、伯爵は茶番を終わらせ、スライを笑い者にする。地下室に放り込まれたスライは自ら命を絶ち、そこへ許しを請うためにやってきたドリーの前で息絶える……という話。あらすじはある程度予習していったので難しいことはなかったし、まぁ解りやすい話だった。でも酔いどれ詩人の物語という先入観だったので「あぁダメ人間ゆえの自業自得の物語なんだなぁ」と思っていたけれどホセ・カレーラスの演じるスライは「あまりの繊細さゆえに酒に頼らないと生きていけない詩人」という印象。一幕でカレーラスが歌った滑稽な「熊の踊り」が、二幕ラストで皮肉めいた演出で使われるところはちょっと鳥肌モノ。想像してたより悲劇性の強い印象だったかも。歌の善し悪しはオペラ初心者なのでさっぱりわからないけれど、さすがに3大テノールと呼ばれるだけあって存在感のある歌声。素敵。しかし気になったのは2幕で踊っていた男性陣たちの振りがまったく揃っていなかったこと。これなら四季のオペラ座のほうが完成度高いぞと一瞬思ってしまう(←比べるのもいかがなものか)。一流カンパニーならほんの一瞬のダンスでも手を抜かないできっちり揃えて欲しい。しかし一番安い席で14,000円ってどうなの。この高さは……。まぁ、現地に見に行くことを考えたら安いんだろうけど。



Date:2002.07.05.
▼「HAKANA」初日@PARCO劇場。ろくでなしの鈴次郎(山崎銀之丞)は博打で鬼シゲ(河原雅彦)に勝ち、世界一の女を手に入れる。それは墓場の死体を集めて作った体に、生まれたばかりの赤子の魂を入れて作られた女・儚(井川遥)。生まれてから100日以内に抱いてしまうと水になって流れてしまうという。鈴次郎は博打でゾロ政(谷原章介)と勝負し、かける金がなくなったことから儚を女郎屋に売り飛ばしてしまう。儚は人間になりたい一心で男たちに抱かれず手技だけで相手をするのだが、ある日噂を聞きつけた殿様がムリヤリ儚を抱こうとして……といった物語。 井川遥の初舞台ということなんだけども、初舞台の人にやらせるにはちょっと酷な役どころなんじゃなかろうか。赤ん坊や子供時代の体当たり系の演技はまだいいんだけど、大人になってからはもうちょっと凄絶なくらいの色気が欲しい。でないと「させず太夫」の説得力がないんだなぁ。まぁ、充分可愛いし、頑張ってたとは思うけど。銀ちゃんは迫力はあって良いんだけど、ちょっと間を取りすぎ。もうちょっとタイトな演技ができないものか……。ストーリーの骨格は悪くないと思うんだけど、ちょっと細かいところで気になるところもあるし、演出面ではもうちょっとなんとかなったんじゃないかという気も。特にメジャーすぎるクラシック曲をつかいまくりの選曲のセンスの悪さには失笑。ハバネラに日本語の歌詞乗せないで下さい(涙)。



Date:2002.07.04.
▼グリング「ストリップ」@「劇」小劇場。この劇団は初見。ある地方のストリップ小屋の楽屋が舞台。劇団を辞めて逃げてきた裏方や、旦那を亡くしたばかりのベテランストリップ嬢、そのファンという警官、店長とその妹、助っ人でやってきたストリップ嬢とその恋人……という人々が織りなす一幕劇。「リアルな日常会話の中から浮かび上がる人間関係やちょっとしたドラマ」みたいな演劇は、正直もういい加減飽きたかな〜と思ってましたが、1時間40分、飽きずに観てられました。適度に湿っぽいシーンや、適度に説教臭いシーンがありつつも、その後すぐに軽い笑いを入れて緊張をほぐすなど、かなり手練れの脚本という感じ。脚本もいいけど、それぞれの役者さんの演技もいい。それぞれの気持ちや立場が充分に伝わって来て、見終わる頃にはそれぞれの登場人物に愛着がわいてました。暗転や時間経過なしにきっちりと構成してるのも見事だし。この規模の公演としてはかなりクオリティも高く、満足行く内容でした。かなりのヒット作。今後に期待!



Date:2002.07.02.
▼宝塚星組「プラハの春/LUCKY STAR」@東京宝塚劇場。まず、プラハのほうは「チェコ・スロバキアの首都プラハを舞台に、共産主義社会の反体制活動家と、西側外交官の命を賭けた愛を描く、壮絶なラブ・ロマンス」という話なんだけど、なにせ、男役トップが演じる日本人外交官よりも、娘役トップが演じる反体制活動家のほうが、100倍も重たい設定とドラマを背負っているだけに、「主役はどっちだ!」とツッコミたくなる。しかも日本人外交官もそれならそれで「東側の女性とは結婚できない」という一点にしぼって激しく苦悩すればまだドラマチックなものを、「たとえ結婚できなくても、ボクの愛には変わりはないのら〜」(←いやこんな軽い口調の台詞はないが)という雰囲気で、かなり脳天気なキャラ設定。もうこの状況で「あぁこの二人は結ばれずに多分娘役のほうが死ぬんだろう」と想像が出来てしまうのだけど、まさにその通りの展開に軽く苦笑。なんでもこの脚本を手がけた谷正純先生は(今話題の和泉元彌主演公演「天翔る獅子」の脚本としてもおなじみ)一部では「ジェノサイダー谷」などと呼ばれ、やたら登場人物を殺すことでおなじみらしい。
そんなこんなで、「プラハ」はまったくもって女心のかゆいところに手が届かない構成と演出に、正直ちょっといかがなものかという印象。が、その分ショーの「LUCKY STAR」がファン心理をぐっとつかむ内容で、はじめてヅカのレビューを面白いと思った。いままで2部はオマケ程度にしか思ってなかったけど、ちゃんと構成されたショーはちゃんと面白いんだということが解った。でも、もしかしたら1部があまりにアレだったせいでそう見えるだけかも。

星組のトップコンビは(ヅカファンの娘さんによると「熟年カップル」などと呼ばれているようだが)落ち着きがあって、華やかではないにせよバランスの取れた実力派コンビという印象。組全体のまとまりもいいような印象を受けた。