ウラPlay News  〜言いたい放題観劇雑記帳〜
このページはオイラの個人的な覚え書きであって某情報誌とは一切関係ありません。また芝居の感想についてはその日の体調や個人的感情によって著しく左右されております。間違っても劇評なんて高尚なモノを書いてるつもりは毛頭ございませんのでご了承下さい。

*ほぼ敬称略*


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Elisabeth

もっと昔のヤツ
reviews


Date:2002.08.30.
▼毛皮族「高麗人参毛具毛具」@駅前劇場。駅前でそんなに火薬つかっていいの? と心配になるほど煙が出てたけど……火事になるんじゃないかと本気で心配しました。劇場に花道つくったり、今回もやりたい放題。しかし私が見たこの回はオープニングの幕の振り落としに失敗したり、肝心な電飾がつかなかったりとトラブル多発。描かれてる世界観は好きなんだけど、このへんのスタッフワークの甘さがある限り、彼女たちの才能が正しく評価される日は来ない気がする。まぁ、もう何度も見てる客は「いつものことよ」と思って笑って見逃せるんだけどね……。それにしても、そろそろイキオイだけじゃなくちゃんと作り込んだ「江本ワールド」が見たいと思うのは私だけか。



Date:2002.08.29.
▼水と油「スープ」@シアターX。このカンパニーの作品を見るのは3作目。基本的に世界観はいつも同じなんだな。極言しちゃうと「どれを見ても同じ」。でも、そうはいいつつもこの世界観は好き。床が液体状になって体が沈んでいったり、ドアを開けても開けても同じ部屋……そんな状況に振り回されて混乱する男、なんていう不条理でシニカルでユーモラスな空間を、4人の身体だけで作りだしてしまう彼らの作品の完成度の高さはさすが。壁が床になり、床が壁になり……そんな不可思議な空間をスピーディに展開するところはやっぱり圧巻。男が壁を歩き始めた瞬間、後ろの女性客は「きゃぁ」と叫び声をあげてました。はじめて見たお客さんだったのかな。

Date:2002.08.28.
▼昼、「アテルイ」千秋楽観劇。大満足。後半は登場人物が死ぬたびに泣けた……。初日でやや不満だった田村麻呂に関しても、楽に来てずいぶん変化した気がした。ああ、最初からそれを見せてくれたら良かったのに! というくらい良かった、堤さん。それにしても今までの新感線だと「悪いヤツとイイ奴が闘ってイイ奴が勝つ」というお約束の展開だったのだけど、今回はアテルイも田村麻呂も悪くないヒーローだけに、今回の舞台は人間ドラマ的要素が強かった。完成度だけなら新感線史上最高傑作の「髑髏城の七人」を超えたかもしれない。でもカッコイイ古田新太が出てるという一点においてやっぱり「髑髏城」を次点に落とすわけにはいかないんだけど。新感線の最高傑作は「髑髏城の七人」で、いのうえ歌舞伎の最高傑作は「アテルイ」ということで手を打とうという感じでしょうか。ああ、満足した……もう抜け殻だよ……。

▼夜、小林賢太郎プロデュース公演「good day house」@アートスフィア。うーん、ラーメンズ好きとしては期待していたのだけど、正直ちょっと期待に及ばなかった。もうちょっとしっかり作り込んだものを見せてくれると思ってたんだけど。「演劇にできること」を小さく見積もってる気がするなぁ。いつものコントの延長線上くらいの印象しかなく、その分間延びして密度の薄い作品になってた気がする。まぁ、2階・3階はそれなりに面白かったし、特に3階のオチは秀逸だったけど。それだけという気が……。

Date:2002.08.27.
▼蜷川幸雄演出「夏の夜の夢」@シアターコクーン。今まで見た「夏夢」の中ではベストな作品かも。美内すずえ演出・劇団つきかげ+一角獣の「夏夢」より面白い夏夢を初めて観たような気が。赤い花が落ちてきたり和風テイスト満載だったり、なぜかパックが京劇役者だったりと、もういかにも蜷川節炸裂の演出ではありますが。竜安寺石庭風の舞台美術と繊細な照明・衣装の、幻想的で美しいことといったら。ありゃぁ海外でウケること間違いナシですな。そして「夏夢」といえばオマケ的感覚というか蛇足な印象で終わることが多い、職人たちの劇中劇シーン。これがまた最高にくっだらなくて笑える。あの劇中劇がこんなに面白いものだったなんて知らなかった。なかなか満足度高し。

Date:2002.08.26.
▼空飛ぶ雲の上団五郎一座「アチャラカ再誕生」@ラフォーレミュージアム原宿。座席状況の悪さはいろんな人から聞いていたので、一段高くなってるベンチシートを確保。まぁ視界は良好だったのだけど、うーん、期待しすぎた割にこんなもんか状態。ナイロン100℃の企画公演くらいの位置づけでやってればまぁ満足な内容だったかもしれないけど……これだけのメンツを集めたんだから、という期待感には及ばなかった。面白かった「劇中劇がメタメタになっていく」シーン、あれ、下北ビートニクスかなんかで見た覚えが……。

Date:2002.08.25.
▼歌舞伎座一部「播州皿屋敷」は、真っ昼間の歌舞伎座でなければただのSMショー。縛りあり、水責めあり、刃物あり……。願わくばもうちょっと線の細い女形さんで見たかったなぁ。筋書きをみたところ、過去に仁左衛門(当時は孝夫)&玉三郎コンビで上演されていたとか……うわぁぁぁぁ。そっちで見たかった! にざ様になら責められてもいい(妄想)。つうか、これ、好きな女形さんがいたぶられてるところを想像すると、結構ぞくぞくしますな。それから「真景累ヶ淵」。こっちは嫉妬深くねちねちねちねちとねちっこい福助さんが怖くも笑える。おびえっぱなしの勘太郎くんについ感情移入してしまう。そら、あんなお師匠さんがいたら誰だってコワイわ……。真剣に怪談として上演すればかなりコワイ作品なんだろうけど、福助さんねちっこさがあまりにおかしくて、なんかコメディみたいになっていた。

▼続けて二部「浮かれ心中」。勘九郎さんは、ああいう憎めない愛嬌のある役をやらせたら右に出る人はいないんじゃないだろうか。話はどうということはないけれど、アドリブが多くて勘九郎さんが笑わせてくれる。橋之助さんのCMをネタにしたり、獅童さんが登場すると「卓球で負けちまったのかい?」「そうなんだよ、窪塚にまけちゃったよ!」と映画「ピンポン」に触れてみたり。それに、なんといっても見せ場はラスト。ねずみに乗って飛ぶ「ちゅう乗り」はやっぱり盛り上がる。「道の向こうは雪がふってるねぇ、アテルイだねぇ」なんて台詞も。特に私は三階席の宙乗りワイヤーのすぐとなりのブロックに座っていたので「ここなら勘九郎さんが投げる手拭いが飛んでくるかも!」と思ってじっと勘九郎さんを見つめていたのだけど。指先まで手拭いに触れたにもかかわらず、隣のお客さんに取られてしまった。残念……。「弥生の花浅草祭」は勘太郎くんと七之助くんの舞踊。若々しさと一生懸命なひたむきさが伝わってくる。やっぱり兄弟のせいか(そう思って観てるせいもあるんだろうけど)同じ動きをするところなんかはぴったりとシンクロしていて、見ていて気持ちよい。まぁ、さすが納涼歌舞伎だけあって、解りやすい演目がそろっておりました。満足。

▼夜、「男子はだまってなさいよ!」@駅前劇場。シティボーイズライブの脚本を手がける細川徹氏と役者・佐伯新のユニット。細川徹氏の人生を虚実入り交じったコントで描く……といった内容か。まぁ大堀こういちや池田鉄洋、近藤公園といった役者陣の面白さもあるんだろうけど、バカバカしくてまぁまぁ面白かった。旗揚げ公演でこの内容なら今後が楽しみかも。

Date:2002.08.23.
▼「ジャン・コクトー 堕天使の恋」@アートスフィア。去年より良くなったかな? 演出や内容は全然変わってないような気がするけど、受ける印象が違った。でも冒頭のラディゲの死のシーンではやっぱり笑っちゃうんだけど。だってヒザから下だけくるっくるっ回して哀しみの表現、って一体……。バレエの様式の一種ですか? 謎。あと、終盤に出てくる、つかこうへいにも負けないくらいのハードゲイっぽいシーンにも微笑。だって「帽子・ワイシャツにネクタイ・ジャケット」まではいいけど、ズボン無しの「ビキニパンツと靴下と革靴」で踊るって一体……ここが天王洲じゃなくて六本木なら立派にその筋のショーとして成立しますがな。

Date:2002.08.22.
▼「アテルイ」@演舞場、3回目。昼夜公演があったせいか、染さまややお疲れのご様子。おかげで堤さんに一点集中して観劇することができた。花道真横に座っていたので、もーいちいちキメ台詞のシーンで表情がよくみえて……幸せ……。

Date:2002.08.21.
▼王立劇場「荒波次郎」観劇。うーん、ちょっとヌルいかなぁ。役者さんそれぞれは面白いんだけど、それだけという気も……。体調悪かったせいか、ムヤミに笑うお客さんたちのノリに乗りきれず。それと、スズナリの舞台サイズの芝居をゼロの舞台にのっけているのも気になった。あれだけ広い空間なのに、なぜ真ん中でちまちました芝居をするのか……。後藤作品は好きなんだけど、今回はちょっと乗れなかった。残念。

Date:2002.08.20.
▼HIGHLEG JESUS真夏の昇天シリーズ、ANIMAL JESUS「虎はまねくよ」@しもきた空間リバティ。動物電気のコント集といった感じの内容。ネタによって面笑えるのとそうでもないのがあったけど、概ね面白かった。終盤の芝居中、「何が面白いのかわからなくなっちゃって」といった内容の、政岡氏の本音とも心の叫びとも取れる台詞があったのがちょっと印象的。最終的には自己肯定に落ち着いていたからホッとしたけど、悩んでいるのかなぁなんて思ったりして。

Date:2002.08.19.
▼MONO「きゅうりの花」@スズナリ。田舎町の青年会が町おこしをしようと集まる集会所が舞台。都会から嫁いで来たお嫁さんや、嫁探しに躍起になる青年などの人間関係が次第に浮き彫りに……という内容。さすがに再演なので完成度はなかなか高い。ただその完成度の高さのせいか、私の回りでは「あざとい」という感想も聞こえたり。まぁわからんではないけれど……。個人的にはMONO最高傑作は「初恋」だったりするのだけど、それを上回るほどではなかった。まぁ、今回は評判が良かっただけに期待しすぎた面もあったのかも。

Date:2002.08.18.
▼歌舞伎座第三部「怪談乳房榎」。いやはや勘九郎さんの三役早替わりの見事なこと。三階席で見ていたので時々セットの陰で入れ替わるのが見えたり、水の中で代わったときに月代部分の髪の毛がズレてるのが見えたりして。まぁその辺はご愛敬か。でも「いつのまに!?」と思うような早替わりが多く、回りのお客さんからも「えー!?」「うそ!」「何で何で!?」と驚きの声が。まぁ、どうしても目がストーリーや役者の味よりも勘九郎さんの早替わりの部分にしか行かないので、それは良いのか悪いのか……という気もしないでもないけれど。でもこの三役早替わりはホントお見事でございました。楽しかった。橋之助さん演じるワルい男もなかなか魅力的。一瞬しか登場しな芝のぶ嬢、今回もとっても美人。

Date:2002.08.17.
▼昼、「Fosse」@オーチャードホール。昨年より確かにエロ指数が高くなってる気がする。去年より舞台に近い席で見たせいもあるかもしれないけれど、その分面白かった。ただ、去年もそうだったが、ひとりかふたり、かなりダメなダンサーがまじってる気がする。素人目にも振りが揃ってないのが解るとは……ツアーキャストだからといって手を抜くのはいかがなものか。

▼フォッシー終演後、自転車で駒場東大前へ。アゴラ劇場で上海太郎ひとり芝居を観る。1時間ほどのステージで、「もう少し見たい」と思わないでもないけれど、まぁまぁ満足。特に「自動販売機」クラシック・バレエ編、舞踏編と「うんこを踏んだ」ミュージカル編とドラマチック感動巨編には笑った。特に「ドラマチック〜」の泣き笑いの表情は絶品。もっと東京公演やってほしいなぁ。

▼久々に3本ハシゴ。夜は本多劇場でJIS企画の「今宵限りは……」観劇。竹内銃一郎作品というのはストーリーよりも空気感を楽しむものなんだなぁと改めて認識。不安定な浮遊感が心地よくもあり、つまらなくもある。「月の光」の時も思ったけど、この空気感にどれだけシンクロ出来るかで作品に対する評価が決まるような気が。

Date:2002.08.16.
▼「アテルイ」@新橋演舞場、2回目の観劇。初日に物足りなかった堤さんがちゃんと格好良く見えた。満足。

Date:2002.08.15.
▼スーパー狂言「クローン人間ナマシマ」@東京都現代美術館。大リーグに主要選手を取られてしまった野球チームが、長嶋のクローンで野球チームを作ろうとして大変なことに……といった内容。うーん、国立能楽堂で上演されたときに見てたらもうちょっと違う印象だったかも。ちゃんとした能楽堂でバカバカしいことやってる、という感じなら面白がれたかもしれないけど、劇場でもなんでもない高い天井の吹き抜けのフロアでみると、なんかチープな感じだけ印象に残ってしまって。アイデアは面白いんだけど、狂言でなくコントでやれば10分で終わる内容。もうひとひねり欲しいなぁ。



Date:2002.08.14.
▼阿佐ヶ谷スパイダース「ポルノ」@TOKYO FM ホール。3組のカップルのエピソードをつなげたオムニバス作品。最近の作風とはちょっと違ったけど、面白かった。一組目は選挙に立候補した男(中山祐一朗)とその妻(岩橋道子)の話。精神を病んだ妻はある男(伊達暁)を監禁して自分の子供として育てようとして……という話。二組目は、ぬいぐるみ劇団で夢を追い続ける困った男(長塚圭史)と同棲している女(村岡希美)。ラブラブなふたりはちょっとしたことで大喧嘩となり……という話。三組目は、足をケガした女優の卵(小島聖)と、その部屋に居座って、彼女の世話を焼く奇妙な男(富岡晃一郎)の物語。一、二組目が、どっちかというと殺伐としたエピソードなのに対し、三組目はファンタジックなちょっといい話。まぁ好みや思い入れのある話はひとそれぞれ別れそうだけど、私は断然この三組目の話が好きだった。ふたりの表情にちょっと泣けてしまったりして。



Date:2002.08.13.
▼ハイレグジーザス「食べ残しは許さないんだからしてっ」のダイヤモンド★ガイズの公演@しもきた空間リバティ。ダンス公演って本気? と思ったらホントにダンス公演だった。珍しいキノコ舞踊団のパロディに大笑い。梅林美人という人が振り付けた、「太陽に吠えろ」のパロディでダンスというのもなかなか面白かった。この手法でバカ系ダンスカンパニーがひとつ作れるよなぁなんて妄想をふくらませてみたり。山田伊久磨、森本訓央のふたりはかなりこの公演に向けて稽古したんだろうなぁ、なんて思ったりした。もちろん本職のダンサーに比べたら素人だけど、素人にしてはかなり体は動いてたし。感心。



Date:2002.08.10.
▼野村萬斎演出「まちがいの狂言」@世田谷パブリックシアター。面白かった! 脚本はシェイクスピアの「まちがいの喜劇」がベース。遠い昔に生き別れになった二組の双子が偶然それと知らずにニアミスしたためにさあ大変……といったドタバタ喜劇。開演前には面をつけた役者たちが「ややこしや……ややこしや……」と言いながら、客席をウロウロ。客の携帯電話を取り上げて、無言で注意を促してたりしてるのも可笑しい。前に「藪の中」を見たときも思ったけれど、狂言の役者さんはコミカルな表情や動きが板についててホントに面白い。萬斎さんの演出手腕にも感心。狂言素人にも楽しめる、楽しい公演だった。大満足。

▼ロリータ男爵「鎖の工場」@三鷹市芸術文化センター。ラスト15分はかなり面白かったけどそれ以外は……やや退屈か。ラストのための前振りだとしても、もうちょっと笑いたかった。残念。



Date:2002.08.10.
▼昼、ラブリーヨーヨー「ORGY」@駅前劇場。山奥の寺を舞台に、和尚さんと弟子と乱入してきたヤクザ3人と囚人の物語。なんか……余計な間とかが多くてまのびした印象。もうちょっとテンポがよければ面白いのに。何カ所か爆笑したシーンもたしかにあるのだけど、全体で言うとちょっと笑いの密度が低かったような。面白いときのラブヨーはもっと面白いんだけどなぁ。ちょっと今回は私にとっていまひとつでした。残念。

▼夕方、「THE FULL MONTY」@東京国際フォーラムホールC。チケットファンで割り引きS席チケット申し込み、当日受付で引き替えて愕然。S席なのに「2階の10列目」とか書いてあるし! まじかよー、だったら最安席でよかったよー、と内心激怒。でも、客席に入ってみたらセンター席の最前列だったので「良席じゃん♪」と一気にゴキゲンに。さて内容。冴えないリストラ男など、それぞれに事情を抱える男たちがストリップショーに挑戦、という話。まぁストーリーそのものは「ダメチームが成功するまでのドタバタを描いたサクセスコメディ」といういかにも解りやすいものなので、展開は読める。ただそれぞれのキャラクター造形はしっかりしてるし、脳天気に明るい楽曲も聞いてて楽しいし。ラストのストリップショーの盛り上げ方もなかなか。ちょっとコストパフォーマンス的には高いんだけど、それなりに楽しいコメディだった。ただ、小劇場で全裸になる役者たちを多数見てるワタシとしては、「全裸になるのにやたら抵抗のある男たち」とか「すっぱだかになるという理由だけでショーのチケットが完売」というのがどーにもリアリティなかったりするんですけどね(ぉぃ)。

いつか出るだろうとは予想していたけど、案の定e+でハーフプライスのチケットがでてショック。もっと早く出してよ……



Date:2002.08.08.
▼実家から30分で行ける宝塚大劇場へ。宙組の「鳳凰伝―カラフとトゥーランドット」観劇。ヅカらしいギラギラのコスプレとこってりした演出の1時間45分。楽曲もコーラスの厚いものが多く、演出もひたすら人海戦術でむやみに空間を埋めまくるので、わりと重厚感あり。「あぁコレよコレコレ。私はヅカにこれを求めているのよ!」って感じで嬉しくなってしまう。ストーリーはもともと寓話のはずの「トゥーランドット」を「愛は勝つ!」的な正統派ラブストーリーにしてしまっているので、そりゃもうツッコミどころの嵐。ヒーローのカラフも、誰も解けなかった3つの謎を解いてしまうあたり「聡明な賢い男」という設定なんだろうけど、そのわりにはストーリーの都合のいいように勘違い炸裂したり、視野狭窄状態に陥ったりしてくれる。会ったばかりの女に対して「お前は俺の女だ!」なんてセリフは、ヅカのトップが言うからカッコイイけど、一歩間違えばただのキチガイです。

トゥーランドットも、一応過去の悲劇から王族の男へ復讐をしているという設定なんだが、なんかもう勘違い甚だしい王女様だし。この世界最強の勘違いな男女がギラギラなセットの中で繰り広げる勘違い甚だしい物語。ああ素敵。これでこそヅカです。そういいつつも、嫌がって叫ぶトゥーランドットを片腕で抱きしめてムリヤリキスするカラフ、なんていうシーンには思わず胸キュン。たまらないったら。

男役2番手の水夏希さんが演じる盗賊バラクにも見せ場たっぷり。カラフと出会って親友となる役どころだけに、彼の最期には、ばっしゃばっしゃと水を跳ね上げながら戦って壮絶な最期を遂げる……という大立ち回りの見せ場アリ。へえ、ヅカでも本水使うんだなぁ、なんて感心したり。ただしこのシーンは1階前方の人でないとちゃんと楽しめないかも。回り盆をまわしながら、その一部に空いた穴の小さな水槽でばしゃばしゃやるので、穴が見えない人にはカッコよく見えるんだろうけど、上から見るとかなり間抜けな感が無きにしもあらず(掲示板でここは「ドリフの場面」と書かれてましたが……まさにドリフ……)。しかも、彼が死んだことはカラフにとっても痛手であるにもかかわらず、嘆き悲しむシーンのひとつもなく。何事もなかったように進むストーリー。物語に何の影響も及ぼさない彼の死って一体!? バラク、死に損じゃないですか。

宙組公演は「ベルばら」「カステル・ミラージュ」と過去2作みてますが、和央さんはずいぶん華がでてきたなぁと思いました。「ベルばら」あたりはマリーアントワネット編だからしかたないんですが、どーにも花房まりさんのほうが印象が強すぎて。正直この宙組のトップのふたりって、美形なんだけど今ひとつ人間味に欠けるというか、「お人形さんカップル」という印象があったんだけど。こういう非現実感たっぷりのコスプレモノにはしっかりハマるなぁと感心。中途半端な「マフィアと女優」なんて設定よりは断然イイです。今後もコスプレ系の演目で行ってほしいなぁ♪

2部のレビュー「ザ・ショー・ストッパー」は、アフリカからはじまってニューヨーク、パリ、スペイン、北極圏など、次々と世界各国に舞台を移しながら進行。オープニングで和央さんは髪の毛を下ろしたナチュラルなサラサラヘアーで登場。ごめんなさい、これがカッコよくてちょっと胸キュン状態でした。ヅカの男役はいつもがっちりとリーゼントかオールバックで決めてるので、こういう少年っぽいサラサラヘアーにぐっと来てしまいました。かっこいい……。両手で髪の毛をなでつけるしぐさとかにクラリ。願わくば、もっと流し目を客席に飛ばしてほしいような。うーん、東京公演もチケットが取れたら見に行ってしまおうかな。しかし、途中で登場する巨大な自由の女神像には笑いました。まるでロリータ男爵の作る無駄にデカイ美術みたいで。あと音楽。ピアソラでタンゴを踊るのは良いんだけど、どう聞いてもクイーンの「WE ARE THE CHAMPION」のイントロに乗せて違うメロディの曲を歌うのはどうなの。新感線かと思ってしまうわ。

▼さて、その「鳳凰伝」が終演して25分後、おとなりのバウホールで花組特別公演「月の燈影」観劇。江戸を舞台に、新興歓楽街である「川向こう」へ流れ着かざるをえなかった人々の哀歓、そして、今は違う世界に住むかつての幼馴染みとの葛藤……まぁ、お江戸版「友へ チング」って感じでしょうか(←本当か!? しかも私この映画見てないし)。あらすじを読む限り、とてもヅカ作品には見えなかったので興味を持ってチケットを取ってみたのですが。うーん、娘役さんたちはともかく、男役陣のしぐさがいまひとつこなれてない。まぁ、「男を演じる」上に「着物をうまく着こなす」という2重のハンデがあるだけに、これは大変だとは思うのですが。しかし、歌舞伎とか商業演劇とか某古田さんとかの「カッコイイ着流し姿」を見慣れてしまうと、どうしてもちょっといただけないというか、違和感がありまくりなんですな。さすがに主演の彩吹真央さんあたりはきちっと決まってましたが。他の若手さん、がんばれ。そこんとこ行くと専科の城火呂絵さんとかがきっちり脇を固めていて(ちゃんと三味線ひきながらセリフ言ってたなぁ)、やっぱベテランはさすがだなぁと思った。ただ、この辺はもうちょっと稽古を重ねればよくなる感じがしたので、東京公演ではだいぶマシになっているかも。あと芝居部分と歌とのつなぎ方とか、なんとなく違和感があって演出がこなれてない感じも。曲もちょっと浮いてる気がするし……どうにも……。

物語は男女の恋物語よりも男の友情と葛藤がメイン。特別公演は初めて見たけど、なるほどトップの男役・娘役というコンビの制約がないとこういう話も作れるんだなぁと新鮮な気分。主役ふたりの関係性には「コインロッカーベイビーズ」「鉄コン筋クリート」「BANANA FISH」なんかを思い出します。後半の立ち回りがある見せ場などはなかなか惹きつけられましたので、前半のぬるさや展開のゆるさが惜しまれますな。そういえば次のバウホール公演「ヴィンターガルデン」も男二人の友情と嫉妬がテーマだったような。ちょっと気になります。



Date:2002.08.06.
▼エレキコミック単独ライブ@草月ホール。エレキコミックは2回目だったかな? 映像ネタをさしはさみつつ、15分〜20分程度のネタを5〜6本くらいだったかな。いろいろな設定がありつつも、どのネタも谷井氏がテンション高く自分勝手な行動をとり始め、それに翻弄される今立氏、という印象。そういう芸風なのでしょう。まぁまぁ面白かったけど、テンション勝負の部分もあるだけに、こちらの体調次第では楽しめないかもなぁという気も。ちなみにこの日は「特製あぶらとりがみ」のおまけ付き。前は確かスーパーボールをもらった記憶があるんだけど、ライブのたびになにかグッズを作ってるんだろうか。まぁ、嬉しいけど。



Date:2002.08.05.
▼この夏の目玉公演(←私の中で)「アテルイ」初日@新橋演舞場。歌もダンスもくだらないギャグや奇妙なキャラクターも少なく、全体的に遊びは少ない感じ。かなり正統派で骨太で重厚な歴史大河劇でした。しかし新感線ならではの殺陣シーンは満載で、殺陣好きの私にはひたすら眼福ではあったけど。それにしても染五郎さんのカッコイイことったら……衣装がスカート風にばさばさしてるので、身体を回転させるとこれが綺麗に翻るのですね。ただ、そのスカート風の衣装とソバージュ&ポニーテール風の鬘が、遠目にみると「……アマゾネス風……(ぼそ)」と思わんでもないのですが。しかし後半、傷だらけの肌をさらしての片肌脱ぎ、あれはもう卑怯! 殺陣も意図的に堤氏と対照的につけてるように見受けられ、もうその華麗さ、美しさといったら……はぁぁ(ため息)。カッコイイです。

対する堤さん、もちろんカッコイイんだけど、個人的にはちょっと不満。いや私は個人的に断然染さまよりも堤さんファンなのだけど……。不満の理由は、多分、田村麻呂という人物のキャラがちゃんと立って見えなかったなかったことだと思う。かなりストイックなアテルイに対して多少軽めの人物設定にしてあるんだろうけど、その軽さがちょっと中途半端な気がして。いっそもっと軽いキャラにするか、そうでなければ「美しいアテルイ」に対する「無骨な田村麻呂」くらいの重く骨太のキャラにするか、どっちかに対照的なほうが良かったんじゃなかろうかと思ったりして。なにか、冗談めいた口調とかも上っ面な気がした。それに、何が不満って、鈴鹿に対する愛情がぜんぜん見えないところ。いちおう設定上は二人はラブラブなんだろうけど、鈴鹿から田村麻呂への愛はちゃんとわかるのだけど、田村麻呂から鈴鹿への愛がいまひとつ本物に見えない。新感線にありがちな後半の裏切りがあるんじゃないかと思うような中途半端な愛にしかみえなくて……ちょっと残念。もっと本気の愛に見えたら、女性ファン的にはたまらない芝居になったんだろうけどなぁと思ったり。まぁ、まだまだ初日なんで、このへんの感情表現や役作りに関しては後半戦を楽しみにしたいところ。

鈴鹿役の水野さんは、綺麗だけどまだちょっとセリフの言い回しがこなれてない感じかな。渡辺いっけいさんもちょっと橋本潤さんに食われちゃった感じでお気の毒。このへんも後半戦に期待かも。植本潤さん、どうしても野獣郎見参の安倍西門に見えちゃうんですけど。そして松井誠さんに見えてしまうんですけど。狙ってるのかなぁ?



Date:2002.08.03.
▼こまつ座新作「太鼓たたいて笛ふいて」@紀伊国屋サザンシアター。いやぁ無事開幕! 誰も初日に間に合うなんて思ってなかったみたいだけど(←ぉぃ)。しかし、今回はかなり多くの人が間違えて「紀伊国屋ホール」に行ってしまったと聞いた。うちの会社の人も間違えてナイロン100℃に並んでしまったとか……。ま、それはさておき内容は、「放浪記」を書いた後の林芙美子の生涯を綴った音楽劇。まぁ、クオリティとしては文句なしに高いし、こまつ座ブランドはやはり信頼できるんだなぁとは思いつつも。でも、もうちょっと作りこめば傑作になったんだろうなぁ……と残念なところも。楽曲はピアノだけのシンプルな演奏で、まぁこれはこれで味があっていいんだけど。ピアノとバイオリンとかオーボエとかの、少人数のアンサンブルで聞いてみたい気も。そうすると贅沢度高かったかな。同じ曲を何度かくり返し歌うシーンもあり、このへんをすっきりさせたら上演時間もちょっと削れてすっきりしたかなぁという気もするし。

大竹しのぶさんはブランチよりも断然こっちのほうが似合ってるかな。登場するキャラクターがみんな味があっていい。お母さん役を演じた女優さん、歌がちょっと声が小さいのは残念だったけど、役柄が魅力的でした。豪胆で、毒舌ながらも娘への愛があって、優しくて。いいなぁと思ってしまった。そして阿南健二さんの笑顔は今回も泣かせてくれたなぁ……。戦争に行って死んだことになってしまい、日本になんとか戻ってきたら嫁さんは再婚してお腹に子供もいて……そんなこんなでホームレスになってしまった彼が、芙美子に「こんな話を書いてほしい」と言いながら、自分のことを笑い話にするシーン、もう切なくて切なくて。「彦馬がゆく」の時もそうだったけど、彼の笑顔は相当に泣けます。



Date:2002.08.02.
▼PLASTIC PLUSTICS旗揚げ公演「世界は笑いで包まれている」@パンプルムス。ENBUゼミKERAクラスからできた劇団らしく、ケラさんがずいぶんお勧めしてるようなので見に行ったけど……。うーん。いくつか笑えるところもあるにはあったけど、基本的に役者の技量に差がありすぎる。特にナンセンスな笑いって、役者の演技や間の取り方が重要だったりするので、もうちょっと全体的にレベルアップしないと厳しいかなぁという気も。タイムスリップの話なのに、「20XX年」と表記したり「2時間前」と表記したり、相対的な時間と絶対的な時間が混在するスライドもちょっといただけない。どっちかに統一しないと混乱してしまいます。作・演出の方は、当日パンフに書いてるくらいだから自覚はあるようだけど、やはりケラさんの影響は色濃い。「笑い」に関してはこだわりがある模様。ナンセンスな話をウェルメイドにまとめようとして、ちょっと詰め込みすぎたかなぁという印象も。あの作風なら、もっと奔放な本でも良いのでは。まぁ、今後に期待という感じです。



Date:2002.08.01.
▼「CVRチャーリー・ビクター・ロメオ」@ザ・スズナリ。……軽くショックを受けて、しょんぼりしながら帰宅。「CVR」は「コックピット・ボイス・レコーダー」のこと。実際に起きた6件の飛行機事故のCVRに残された記録を再現するという“ドキュメンタリー演劇”だそうで。もともとはアメリカの作品なので、取り上げられてる事故も6件中5件はアメリカのものだった。

海の向こうでの事故に関しては、それでもまだ冷静に見ていられるし、舞台作品として面白がる余裕もあるけれど。一番壮絶だったのは3本目の事故。計器が狂って読めなくなり、副機長はそれでも悪態をつきながらなんとか対応しようとするんだけど、機長がどんどん混乱していき、もはや使い物にならなくなっていく……というシーンが、これがかなり長い時間あったりして。このへんからだんだん見るのがツラくなって来る。そして、5本目に登場する事故というのが、あの日航機墜落事故の記録。当時私は11歳で、事故の日のこともしっかり記憶にも残ってるし、近年になって「沈まぬ太陽」の3巻を泣きながら読んだ身としては、もう、色々な記憶が頭をよぎって冷静に観ることが出来なかった。御巣鷹山の焼け野原や、家族に当てた父親の壮絶な遺書の文面を思い出してしまったり(←涙ナシでは読めません)、頭の中で坂本九ちゃんの「上を向いて歩こう」が流れたり。コックピットの会話も壮絶で、なんかもうツラくてツラくて。ちょっと泣きそうになってしまった。

翻訳劇ということで、原作のアメリカ版を忠実に再現するようにしたようだけど。あえて日本版に挑むなら、82年の日航機逆噴射事故には果敢にチャレンジして欲しかった。「機長、何をするんですか!?」を観てみたかった気が。色々取り扱いの難しい事故だからこそ、この芝居で挑戦して欲しいと思った。まぁ、それはさておき、遊気舎の「フリオ」を観た方ならわかると思うけど、スズナリは低音を響かせると椅子や床にもビリビリと響くから、かなり体感度の高い舞台に仕上がっていた。そりゃあもういたたまれなくなるくらいに。はぁぁ。疲れた。(←もちろん悪い意味ではなく)

ちなみにこの舞台、演劇ファン意外にも結構注目されたようで。芝居を観ないうちの兄にも感想を聞かれたのには驚いた。まぁうちの兄は飛行機オタクなんで「新聞の劇評の写真で見たけど、あれ、機長と副機長の座ってる位置が逆だと思う」なんて細かい部分に気付いていたけれど(日航機のシーンだけたしかに機長と副機長の座る位置が逆だった記憶が。理由は謎)。たぶん再演されると思うけど、上に書いたような理由で、またスズナリでやってほしいような気がする。