ウラPlay News  〜言いたい放題観劇雑記帳〜
このページはオイラの個人的な覚え書きであって某情報誌とは一切関係ありません。また芝居の感想についてはその日の体調や個人的感情によって著しく左右されております。間違っても劇評なんて高尚なモノを書いてるつもりは毛頭ございませんのでご了承下さい。

*ほぼ敬称略*


BackNumber
2002.12
2002.11
2002.10
2002.09
2002.08
2002.07
2002.06
2002.05
2002.04
2002.03
2002.02
2002.01
2001.12
2001.11
2001.10
2001.09
2001.08
2001.07
2001.06
2001.05
2001.04
2001.03
2001.02
2001.01
2000.12
2000.11
2000.10
2000.09
2000.08
2000.07
2000.06
2000.05

Elisabeth

もっと昔のヤツ
reviews

Date:2002.12.29.
▼ハイレグジーザス「LOVE JESUS〜星をはずす日」@ON AIR WEST。約5時間半立ちっぱなしのライブはさすがに疲れたものの、過去のベストネタが見られたのは嬉しかった。開演は1:50AMくらいだったかな? オープニングのダンス、シモネタ替え歌満載の「ミュージック・フェラー」(全裸・道の上から、この竿をしゃぶるのはあなた、など)、全裸でSMAPの替え歌を歌い踊る「SWAP」、クラブハイツでもやっていた「おマン子クラブ」、リン・ホブディのナチスネタ、政岡泰志くんの「ひとりプロレス」、新井友香さんの「友香デーモン」、キシジュンの作文コーナー、そして男らしいキノコ武闘団……さすがに今までの人気ネタばかりなのでなかなか楽しかった。途中、3AMくらいに大人計画「とびだせボーイズ」のコントが2〜30分くらいあったかな。5AM台に宇宙レコードのライブ。1Fは盛り上がっていたようだけど、このへんで2Fは一気に人が減った気が。明け方にいきなりゴリゴリ音楽のみのライブやられても、年寄りには腰がツライです。ラストは初めて全裸で登場した河原総代が地味ーに顔から星をはずして、フィナーレ、という感じでした。終わったのは朝7時半くらいだったかなぁ……まぁ、疲れたけど、楽しかった。


Date:2002.12.29.
▼劇団☆新感線「七芒星」@赤坂ACTシアター、東京千秋楽。前半のエピソードを少し削ったのかな? だいぶすっきりと解りやすくなっていた。今日はだれも噛まなかったし。殺陣もスピード感がでてきてずいぶん良くなっていた。まぁ、やっぱり今年は「アテルイ」が相当よく出来ていただけに比べちゃうと物足りない感はあるにはあるのだけど、悪くなかったんじゃないだろうか。まぁ趣味嗜好によって評価がきっぱり別れそうな作品のような気はする。


Date:2002.12.28.
▼海老扇「微動リビドーナシゴレン」@劇場MOMO。旗揚げ公演よりもややわかりやすくなった感じかなぁ。前はもうちょっと破天荒な本だった気がするけど。前半はまだ見てられたのだけど、中盤で映像が出てきたあたりからちょっと飽きてきてしまった。うーん。前回ほどではないけれど、やっぱりまだ脚本と演出がいまひとつマッチしてない気がするんだよなぁ。もうちょっと無茶苦茶でもいいと思うんだけど。同じ女性主宰ということでどうしても比べてしまうのだけど、毛皮族の江本純子さんが座長として前に出ていく「徹底した押しの強さ」と、劇団本谷有希子の本谷有希子さんがあえて出演せずに作・演出に徹する「徹底したしたたかさ」にくらべ、この劇団のイニキZさんの立ち位置はやや中途半端な気が。自分を出したいのならもっと徹底して前に出てもいいんじゃないかと思うのだけどなぁ……。面白くなる要素は充分あると思うのだけど、今回の公演はいまひとつだった。

▼「モーツァルト!」@帝国劇場。中川晃教の楽日を観劇。中川版ヴォルフを初めて観たけれど、評判通りかなり良かった。井上芳雄くんを先に観ていたので彼にさほど不満は感じなかったけれど、中川版のほうが俄然役柄にハマっていた。先に中川版を観ていたら井上版に不満を感じるかも……というくらいの印象。中川君は歌を完全にセリフとして消化した上で歌っている印象があった。井上くんは「音程通り、メロディをなぞって歌ってます」という感じで、曲のメロディラインは解りやすかったのだけど。中川君は(ちゃんと音程通りなのに)自分の感情の抑揚に合わせて自由に歌っているような印象だった。子役アマデとヴォルフとの関係性もこうして観るとずいぶん違う。井上くんは子役アマデに親切というか、やりやすいように気をつかってあげてる感じがにじみ出てしまっていたけれど。中川くんは子アマデにある意味無頓着というか、椅子の上で背中合わせにシーソーっぽい動きをするところでも、子アマデをふっとばすくらいのイキオイで動くから、「奔放で自分の才能に無頓着」な印象がある。この冒頭のシーンだけでも全然ふたりのキャラの印象が違うんだよね。ルックスや背の高さなど見た目の面では井上くんのほうが好みなのだけど、キャラクターと歌の面では中川君のほうがこの作品にはあってる気がした。

しかしヴォルフのキャラクターの輪郭が明確になることによって、今まで見えなかったいろんなコトに気づいたのも事実。もはやコメディリリーフ的存在(←言い切っていいのか)としてしか認識してなかったコロレド大司教って、実はもっとしどころのある役なんじゃないのか、と思ったり。よく見たらヴォルフの才能を一番正しく理解してるのって彼だし。なんか山口さんはただ傲慢な人で支配欲からヴォルフを従属させようとしてるようにしか見えなかったが、本当は「モーツァルトとその才能を愛するが故の偏執的な執着」なんだろうなぁ、と思った。だからこそ、ヴォルフの父レオポルドが「天才はいくらでも作ることができる!」と言った時に、彼に対して失望するんだろうし。他の人や物で取り替えが効くのなら別にモーツァルトに執着する必要はないのだし。まぁ、そんな複雑な感情表現を彼に求めるのは無理なのか……。コメディリリーフとしては確かに笑ったし。

最初に観たときは「なんでヴォルフは死んだのに悲壮感たっぷりの顔で“自由になりたい”と歌ったりするんだろう、死ぬことで解放されたのではないの?」とか、「モーツァルトが苦悩しているのは、父レオポルドとの葛藤なのか、コロレド大司教との確執なのか、ポイントがいまひとつ解りづらい」とか思っていたのだけど、今回観たら全然そんなテーマじゃなかった。今回は「舞台に登場するほぼ全ての人物がモーツァルトにとってのしがらみだった」と解釈できた。父との葛藤もそうだし、コロレドとの確執もそうだし。もちろん意地汚く金をせがむコンスタンツェの一族もそうだし。だとするなら、いっそのこと他の登場人物ももっと彼を苦しめる側としての描き方をすればいいのではないか……と思ったりもした。コンスタンツェは、もちろん本人に悪気はないしヴォルフを愛してはいるのだけど、決して賢くはないだけに夫婦生活はダメになる一方、みたいな解釈にするとか。松たか子ちゃんも西田ひかるちゃんもどうしたってしっかり者で賢く見えてしまうから、もうちょっと白痴っぽく演じられるようなキャスティングがいいなぁ。姉ナンネールにはもっと哀れっぽい演技をさせて「彼女は自覚してないけど彼女の不幸はモーツァルトのせい」という“モーツァルトにとっては負い目の存在”に見せてみたり。ヴァルトシュテッテン男爵夫人は(今回はモーツァルトの理解者的立場だったけれど)「モーツァルトの才能である“アマデ”の実力だけを固く信じるが故に、“ヴォルフ”にとっては重荷でしかない」……みたいな解釈はどうだろう? シカネーダーも、最初はいいけどパパゲーノのあたりまで来ると「大衆的オペラを成功させよう」という気がはやってヴォルフを追い立て、彼の死を早める原因になるとか。そうやって登場人物全てがモーツァルトの精神を蝕み追いつめていったのだとしたら、ラストシーンも腑に落ちる。モーツァルトの悲劇度も高まるし。それに、アマデをあそこまででずっぱりにするなら、もっと効果的に使ってもいい気がする。たとえば、「舞台で拍手喝采を浴びているアマデとヴォルフ。最初はゴキゲンだったヴォルフも、次第に拍手を送られているのは“生身の自分”ではなく、あくまで“才能”であるアマデのほうと気づく」……とか。そうすると、「自分の影から自由になりたい」という歌詞も納得できるんだよなぁ。

などと、ついつい「自分ならこう演出する」というアイデアばかりが浮かぶ公演でありました。


Date:2002.12.25.
▼竹中直人の会「月光のつつしみ」@本多劇場。今まで見た岩松作品の中ではかなり解りやすいほうだったかな。シスコンの弟(竹中)とその姉(桃井かおり)の葛藤、という感じなのかな。出てくる人が全員どっかおかしいのであまり感情移入できるタイプの話ではないのだけど。なんかもうその姉弟のどうしようもないくらいの関係の濃さがやりきれなかった。印象的だったのは若夫婦の旦那役の北村一輝が「子供ができると家に居場所がなくなる」みたいな内容のセリフを言うのだけど。「あぁ男ってそんなふうに思うんだ」と単純にはっとした。あのセリフは女性作家には書けないだろうなぁ、なんて思ったりして。篠原ともえがバラエティなんかとは全く違ってしっとりとおとなしい若妻を演じていたのも印象的。


Date:2002.12.23.
▼スクエア「つるつる」@駅前劇場。この劇団は初見。舞台はある探偵事務所。ふたりの探偵がお互い反目していて、あるカップルの浮気調査をそれぞれ別々に引き受けてしまう。探偵をめざす新人スタッフはふたりの板挟みになって、両方の調査を手伝っているうちに男のほうの劇団になぜかのめりこんでしまう……といった内容。関西の劇団らしいベタさを感じつつも、なかなかよくできた喜劇。役者同士のやりとりも息があっててなかなか楽しい。まだ若い劇団らしいけど、ちゃんと作りこんだ感じがして面白かった。オリジナルという音楽も芝居の雰囲気にあっていたし、舞台美術もかなりリアルで雰囲気が出ていたし。今後に期待。

▼清水宏「サタデーナイトライブ」@紀伊国屋ホール。見たことのある役者が山ほどご来場。まぁそれはさておき、一部中だるみしつつも割と面白いネタを集めたライブでなかなか楽しかった。シンバル漫談はいつもほどテンション高くなかった気がするけど(終盤でもう疲れていたのか?)、それでも汗かきまくって叫ぶ彼を見ると「あぁ清水宏を見てるんだなぁ」とちょっと嬉しくなってしまう。ウルトラセブンにでてくるミクラスが、「私はセブンの前座ですよ」と、プロレスの興行にみたてて訴えてるネタが面白かったなぁ。ソロライブのわりには2時間半ちかくあってずいぶん長丁場だったけど、結構楽しかった。


Date:2002.12.21.
▼歌舞伎座で昼の部・夜の部を通し観劇。安く譲っていただいたチケットで久々に1階席(二等だけど)から鑑賞。ああ、やっぱり3階とちがって客席がゆったりしていていいなぁ、なんて思ったりする。まず「小栗栖の長兵衛」。なんか本当は「手のひらを返すような、人心の変わり安さ」を描いたようなシニカルな話なんだろうけど、どういうわけがひどくご都合主義のおめでたい話に見えてしまった。まぁ朝一番の幕だから仕方ないとはいえ、重鎮クラスが一人でも出てくれればもうひと味違ったんだろうけれど。うーん。話そのものが今ひとつなのかな。

次の「紅葉狩」はまぁ玉三郎さんのキレイなことったら。あの美しい紅葉柄の衣装をつけた玉さまを見るだけでほぼ満足しかけてしまったりしてね。この演目は前に雀右衛門さんで見たことがあったような気がするけど、その時はだいぶ扇さばきがアヤしかった覚えが。玉三郎さんも一部ややぎこちない瞬間があるにはあったけど。でも美しい姫の姿の中に、鬼の本性が垣間見えるあたりの動作がかっこよくって惚れ惚れ。でも鬼になってからはちょっと線が細いかな。でも概ね満足。

「佐倉義民伝」は勘九郎さんと福助さんが中心のお涙頂戴モノ。お父さんが死を覚悟して直訴にいこうとする前夜、嫁や子供たちと涙ながらに別れる……という感じ。そりゃもう話そのものはシンプル極まりないのだけど、子供たちが父親にすがって止めようとしているのを見ると、そしてそれに対して断腸の思いの勘九郎さんを見ると、やっぱ泣けますわ。歌舞伎にでてくる子役の声って、なんか卑怯なアイテムだなぁと思ったり思わなかったり。

▼夜の部は「椿説弓張月」通し上演。うーん、正直、期待していたほどではなかったかな。上の巻はやや地味だし。でもこの場は子役が主役。だって立ち回りとか上手くて可愛いし、しかもその子が息も絶え絶えになってるのをみると、もうもうもう! とか思ってしまう。猿之助さん、見得切ってないで早く介錯してやりなよ! とか思ったりして。そのくらい子役が可愛かった。中の巻はわりと見せ場が多かったかな。玉三郎が琴を弾く傍らで腰元たちがふんどし一丁の男に杭を打ち込んで拷問する、なんてシーンは、もう三島由紀夫が趣味で書いたとしか思えないんだけど(原作にあのシーンはあるのか? 謎だ)。うーん、歌舞伎で見るとちょっと悪趣味ギリギリの演出という気がしないでもない。下の巻はいきなり話が琉球に飛んでてなんのことやら。筋書きに軽く目を通しても「?」だった。なんかこれもう別の芝居でもいいんじゃないのか……と思ったりして。


Date:2002.12.20.
▼ナイロン100℃「東京のSF」@シアターアプル。オープニングの歌&ダンスが結構印象的。「ドント・トラスト・オーバー30」はあんな感じのミュージカルになるのかな、と思ったりして。まぁいかにも劇団公演といった感じで、大人数の出演者にそれぞれ見せ場をもたせた群像劇。芝居の内容とは関係なく、単に仕事で疲れていたのでかなり寝てしまった……。でもどこで起きてもなんとなく話がわかってどこで終わってもいいような内容の気はしないでもなかったけど。でも寝てしまったのであまり大きなことはいえません。この作品も初日の一週間前くらいに脚本があがったとウワサで聞いたけれど、そんなことは感じさせないような完成度だった気が。舞台美術や照明も凝ってるし。それにしても上演時間3時間15分って……開演がややおしたりしていたから、劇場を出たのはほぼ22:30でした。長っ……。


Date:2002.12.17.
▼ジョビジョバ「Simple Soul」@前進座劇場。なーんか、昔のイキオイはもうなくなってしまったのかなぁ、というのが第一印象。まぁ客席はそれなりにウケてはいたし、別に怒りを覚えるほどつまらなかったワケでもないのだけど、正直ほとんどネタを覚えていない。活動停止のウワサも聞いてはいたのでそのせいかもしれないけれど、なんとなく全体的にテンションが低いような気もした。まだ学生だった頃みたいに「どうだ!」みたいなテンションがないんだよなぁ。なんか小手先の小技でそれなりに笑いが取れるようになっちゃった感が……。まぁ、ファン層も考慮して「あまりドカドカ笑わせすぎないようにペース配分」したのかなぁ、と思わないでもないのだけど。ネタよりもカーテンコールで坂田氏が「実は結婚しました」と報告したほうがよっぽど印象的だったりする。


Date:2002.12.15.
▼「モーツァルト!」@帝国劇場。井上芳雄版で2回目の観劇。10月の日生劇場で開幕2日目に見たときにくらべると、ずいぶんブツ切れ感も減ってスムーズに話が流れるように見えた気がした。でもそれは一度見て内容が頭に入ってるせいのほうが強いのかも。子役アマデは内野さんというお嬢さんだったようだけど、前に観た鶴岡くんよりも表情がはっきりしてる気がした。上手い娘さんだなぁとは思ったけど、個人的には無表情なお人形さんのような鶴岡くんのほうが好み。そのほうが、無個性な感じがして残酷なシーンにハッとするんだよね。内野アマデは表情豊かなので、ちょっと「女」を感じてしまう。モーツァルトへの感情が、「才能が肉体を支配」しようとするのではなく「女が男を独占」しようとしてるように見えなくもない。それはそれで演劇的には面白い解釈だとは思うのだけど。井上芳雄氏はちょっと疲れていたのかなぁ、前回見たときにくらべてちょっと華やかさが欠けた気がした。どこがどう違うわけではないんだけれど、全体的にくすみ感があるというか。うーん。

▼ハイレグジーザス「CABALLET NIGHT FEVERったらFEVER」@歌舞伎町クラブハイツ。初めて行ったけどなかなか雰囲気のある素敵なグランド・キャバレー。「あぁここに銀橋をつくって毛皮族にレビュー公演をやってほしい!」などと妄想してしまった。レビュー公演らしいダンスや替え歌から、身体を張って観客を引かせるネタまで盛りだくさん。客席乱入度は低く身の危険はほとんど無かった。客入れ・客出しにやや時間がかかってた(←制作の手際が悪いわけではなく、単に出入り口の狭さとエレベーターの問題だと思われる)けれど、それ以外はたいへんに楽しいひとときを過ごせた。うーしかしここも喫煙者がとなりにいると、嫌煙家にはツライ。喫煙席と禁煙席に分けるというのは……さすがに無理なんだろうけど……。


Date:2002.12.14.
▼東京バレエ団、ベジャールの忠臣蔵「ザ・カブキ」を見に行く。しかしこのタイトル、まぁ海外で上演するときはコレでいいんだろうけど、日本で上演するときくらいもうちょっとなんとかならなかったのか。歌舞伎なのかバレエなのかはっきりしろと思わないでもないのだけれど……。内容は「忠臣蔵」というより歌舞伎の「仮名手本忠臣蔵」をきっちりそのままバレエ化した感じ。冒頭に「現代の無軌道な若者たち」のシーンがあって、そのリーダーが刀を手に取った瞬間に過去へタイムスリップ、彼はいつしか由良之介(=忠臣蔵でいうところの大石内蔵助)になっていく……みたいなアレンジは加えているモノの、それ以外はほぼ「仮名手本忠臣蔵」に忠実な作り。なんで、正直「仮名手本〜」見てない人にはなんのことやら解らないシーンも多々あるような気がする。ま、もちろん松の廊下や切腹や討ち入りなんかの見せ場のシーンは誰でも解るからいいんだろうけど。それにしても歌舞伎を見慣れていると、バレエダンサーのすり足の重心があまりに軽いのがなんか気になる。あの動きをやるんなら、もっと歌舞伎役者のように重心を下にして動くか、そうでなければあんな振付やめてしまえばいいのに! と思ったりもした。重心の高いすり足ってなんだか安っぽく見えてしまうんだよなぁ。まぁベジャールが歌舞伎に造形が深いのは解ったのだけど、「元ネタを忠実になぞってます」という感じで、あまり「ベジャールなりの解釈」が伝わってこないのが残念だった。漫画や小説を映像化したりとか舞台化したりとか、別のジャンルのものを他のジャンルの作品にする時って、監督なり演出家なりの別の解釈や主張が加わらないと、決して元ネタを超えることはないんじゃないかな、とちょっと思った。しかも日の丸とかバーンと出されるのも……海外では「日本」を意味するビジュアルにすぎないのは解るけど、日本でやるとなんか違う意味合いが含まれてきちゃうのがなんともなぁと思ったり思わなかったり。もにょもにょ。


Date:2002.12.13.
▼劇団☆新感線「七芒星」@赤坂ACTシアター、初日。いやはやなんて初日感たっぷりの初日。芝居の流れ自体は別に悪くないのだけど、役者がセリフを噛みまくり。そもそも覚えにくい中華風の固有名詞が山ほどでてくるのに、セリフを噛まれちゃうと設定自体が覚えられなくなってしまいます。物語としては「リトルセブンの冒険」と「LOST SEVEN」を足してアレンジを加えて、中華風味に味付けましたという感じ。見たことのある演出や見覚えのある設定がところどころに出てきたりはする。ざっくりまとめるとこんな話→かつて魔鏡を封じ込めて死んだ七人の勇者が、鏡の魔女の力で悪者として復活。七人の勇者に縁のある七人の若者たちと、かつて鏡の魔女を封じ込めた娘の計8人が、“元七人の勇者&鏡の魔女”の計8人をやっつける。とまぁそんな感じか。この構図が見えてきた後半戦は俄然面白くなるし、正直ちょっと目頭が熱くなったりもしたのだけど。しかし、イイ意味でも悪い意味でも「劇団公演ならでは」といった印象。古田・高田など看板役者が久しぶりに揃ったとわりには、若手組を主役にして見せ場を作ってあげている関係上、ちょっと物足りない部分も。もちろん、今までプロデュース公演などでは脇に徹していた彼らがセンターで芝居をしているという意味では、劇団のファンとしては嬉しくもあるのだ。まぁ、なにせ初日なんで段取りなどにいささかアヤしそうなとこもあったり、殺陣もまだ多少スピード感に欠ける気がしたりと、やや不満点もありつつ。しかし悪評高い赤坂ACTシアターという劇場をあれだけ上手く使いこなせる演出家はほかにいないだろうなぁ、と感心したりもした。ま、楽日も見るので今後の変化に期待ということで。


Date:2002.12.12.
▼愛華みれ・沢村一輝主演の「ゴースト」@ル テアトル銀座。正直あんまり期待してなかったけど、意外に面白かった。脚本・演出上の破綻やツッコミどころも多々あるものの(とくに後半から終盤にかけて)、割と「演劇的」な演出をしているなぁと思った。「ある意味エリザベート」という感想を漏らしていた人がいて「えぇ?」と思ったけれど、確かにある意味トートダンサーズが出てきて笑った。まぁあそこまで存在感ありすぎではないにせよ、物語を邪魔しない程度に出てくる「黄泉の国の人たち」が、思いっきり白塗りでゴス系で青白い照明を浴びて舞踏っぽい動きで歩いているので、ちょっと楽しくなってしまった。

脚本は概ね映画に忠実という感じで、なかなかうまい脚色。題材が題材だけに、「キャラメルボックス風」な演出になるかと思いきや、そうでもないのが意外だった。ハートウォーミング一辺倒ではなく、照明のトーンも全体的に青暗い感じ。転換はもうちょっと暗転を短くしてスムーズにやってくれたらと思わないでもないけれど。イリュージョンの使い方もあまりヤリスギない程度なので好印象。まぁ、クライマックスシーンのフライングとか、空中キスシーンとかはもうちょっとスマートにやってくれないと笑っちゃうんだけど……。

沢村一輝氏は初舞台の割には健闘してたんじゃないかな。誠実な演技に好印象。愛華みれさんは、キャラ的にやっぱりチャーリー・ガールみたいな少年っぽい感じのほうが似合うのかな。ボーイッシュな衣装の時のほうが断然可愛かった。襟ぐりの広いセーター来てるときにマイクのコードが首に見えちゃうのがちょっと興ざめ。襟付きの服とかにすればいいのに……と思ったり思わなかったり。佐藤オリエさんがウーピー・ゴールドバーグの演じた霊媒師をやるというから、個人的には「なんかイメージ違うのでは」と思っていたけれど、意外にもコミカルな演技がハマっていた。やっぱり上手いなぁ。若松武史氏はなんつーか、役不足な気がした。あの濃いー人にあの程度の軽い役やらせなくても。しかもあんなドレッドヘアーとストリート系の衣装にするなら、もっと若い役者でも良かったんじゃ。むしろ羽場裕一氏の役を若松氏にしたほうが……いや、それだと最初から「この人がアヤシイ」と気付いてしまうのか。まぁ、若松氏の芸風を知らなければ気にならなかったのかもしれないけど。なんかもったいない気がした。


Date:2002.12.11.
▼猫ニャー「応急エステティック」@全労済ホール スペース・ゼロ。ううん、解らない。ブルースカイ氏が何をやりたかったのか、ちょっと解りかねた。なんだか少し不条理なだけのフツーの演劇なんだよなぁ。「重傷を負ったケガ人たちが、救急車でエステサロンに運ばれてきてしまう」という設定からは、もうちょっと面白くなりそうな気もしたのだけど。ただ、核になる役者が池谷のぶえさんくらいしかいないので、演出家の意図することを役者が100%表現しきれてるのかどうかもちょっと解らない。


Date:2002.12.07.
▼Hula Hooper「脱いでたまるか(仮)」@サニーサイドシアター。若い女の子たちのコント公演で、まだ旗揚げしたばかりの模様。数人の脚本家がコントを書いているのでネタによって面白いものもそうでないものもあるけれど、平均すればまぁまぁ面白かった気が。ムダに女らしさを捨てたりせず(←演劇をやってる女性集団でお笑いをやろうとすると、どうしてもコレを捨てたがりがち)、ナンセンスなコントに対して誠実に向き合ってる感じが好ましい。作家の顔ぶれ次第ではあるものの、少なくとも「次も見てみよう」と思わせる内容だったような。故林広志氏のネタがダントツで面白かったかな。


Date:2002.12.06.
▼ロリータ男爵「愛探偵・天乃川学ーRETURNSー」@駅前劇場。いやぁ久しぶりに面白かったなぁ! 満足満足。この作品はdie prazeでの初演も観ていて、結構面白かった記憶はあるのだけど。脚本はほとんど変わってないような気がしたけど(小ネタなんかは変わってるかも)、演出のアイデアがずいぶん豊富になったなぁと思った。教育テレビや探偵モノなんかのお約束ごとを使ってバカバカしくナンセンスなミステリーが展開。初演ですごく面白かった「ハカセ」がまた出てきたときはちょっと嬉しかったなあ。前半がかなりテンポ良かっただけに、後半でやや中だるみ感や転換時のバタバタ感が気にならないでもなかったけれど。でもここ最近のロリ男公演ではダントツによくできた内容だった。


Date:2002.12.05.
▼ロマンチカ「LOVE POTION」@六本木ビブリン。客席を囲むようにベルトコンベアが付いている、六本木らしいコじゃれた空間(こんな感じ)で、モニタにはCG。マネキンメイクのダンサーたちが次々と衣装を変えて現れ、架空のドラッグのプロモーションをしているという設定のショー。ハコの雰囲気と映像、音楽、衣装、照明はマッチしててなかなか楽しい。人間離れした人形っぽい細身の体型のダンサーさんたちは露出度高し。あまりエロを感じさせない無機質な演出だけど、そこがかえって「生身の人間よりも人形っぽいほうが好き」なマニアさんたちにはたまらないかもしれない。女性より男性のほうが楽しめるかも。ただまぁいかにも六本木的というか都会的というか、隙のない「コジャレ感」が、「こういうのを喜ぶのって東京育ちの人よりもむしろ田舎モノなんじゃないのか」という被害妄想を逆に感じさせたりもするのだけど。面白いとは思いつつも素直に手放しで絶賛したくない気分にさせられらのも正直なところ。まぁパフォーマンス・ショーとしてのコンセプトは面白いと思うし、演出・スタッフワーク含めて完成度も高いとは思うのだけど。でも振付がややワンパターンなのがちょっと気になったり。ダンス公演でないといわれればそれまでだけど……。つか、テーブル席はいいんだけど、禁煙のほうがいいなぁ。あまりにケムくてタバコ嫌いの私はちょっと不機嫌よ。