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「Swan Lake」
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Diary
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Date:2003.04.05夜.
※先にひとこと書いておきますが、この日の感想文は相当イカれてます。あまりに化けてしまったジーザスに見とれるあまり、もうすっかり冷静さを失った主観レポートになってますのでご了承下さいませ。引き返すなら今です。
▼公演直前になって、既に帰国してしまったアダムのファンの方から最前列どセンターのチケットを譲っていただけることになった(ありがとうございました!)。手持ちのチケットもそれなりに良い席だったのだけど、最前列の迫力に敵う者なし……たまたまチケットを探してた方に手持ち分はお譲りできたし、ちょうど良かった。ああ、またしても最前列で見られるなんて夢のよう! 同行の友人と共に「落ち着かないねー」とうろうろ。なんかもう狂ったようにリピートするあまり、当然のようにジーザスを何度も見てきたわけで、何度も見てしまうとそれはそれで情も移ってるわけで。しかも観るたびに少しずつ良くなってるジーザス・パスターのスワンに、ちょっと「もしかしてアダムより良くなるかも?」とか思い始めてるわけで。開演前からもうドキドキと落ち着かない状態。思わず化粧直しとかして(←またですか)、客席へ。
ジーザスのスワンはなんだか前より一層よくなっている気がした。美しくて、雄壮で、力強いのに柔らかい雰囲気で。ジャンプした時にほとんど背中で足が頭につきそうなほどの身体の反り返り具合といい、身体の柔らかさがあのやわらかな雰囲気に繋がってるんだろうか。あまりに完璧すぎて侵しがたい雰囲気のアダムスワンや、触れたら指が切れそうなほど張りつめた雰囲気の首藤スワンと違い、ジーザスは包容力があって大らかで、そばに行けば誰でも受け入れてくれそうな、フレンドリーな「癒し系スワン」。王子の身体に顔をすり寄せる場面なんかも、前より愛情たっぷりになった感じ。最初に見たときは別になんとも思わなかったのに、「そんな色っぽい顔、みんなに見せちゃっていいの?」と、やたらドキドキしてしまった。最初に見たときにくらべて、身体全体の表情もすごく豊かになった気もした。二幕ラスト、王子と並んで舞台奥に走り去る場面での笑顔のまぶしいことったら! そらあもう、自殺したい気持ちなんかどこかにふっとんでしまう王子の気持ちが解ります。
しかしすごかったのは三幕だった。今まで見てたジーザスとは全然別人が踊ってるんじゃないかと思うような化けっぷりで……もう、本当に三幕のあいだじゅう、ずっと「やだもう! ジーザスってばこの一ヶ月の間にどこで遊んできたの!」と思ってしまうくらいだったのだ。どうしちゃったのかと思うくらいに全ての動きがノリノリ。女王の腕を舐めるときも思いっきり舌出してるし。女性ダンサーと絡むところでの手つきが、いちいちエッチだ。でも、「いやらしい」という印象はなく、無邪気に楽しそうな笑顔がそりゃもう可愛くって可愛くって、もう王女さんたち同様、完全に「魅了」されてしまった気分。先日アダムを観たときは「確かに格好いいけど、そんなどう見てもワルい男にひっかかったらまずいでしょ」と思いながら三幕をみていたわけだけど、この日はもう「私も私もー! 私もストレンジャーと踊りたぁいーー!」って気分にさせられてしまった(←アホだ)。いや、遮る者のない最前列で見てたせいもあり、気分はすっかり舞踏会参加者だったもんで。
しかもこの日は今まで見せたことのないような動きが次から次へと。スペインの王女が踊ってる間ストレンジャーは上手のテーブルに腰掛けてるんだけど、王女が近づいてきたときに上着を肩から落としてはだけた胸元を突きだして、「触る?」って顔をして王女を観るんだ、これが。そしたら王女もそれをみて胸元をさらっと撫でていくんだよね(確か他の日はこんなことしてなかった)。するとジーザスも満足気にニヤっと笑って上着を羽織り直したりして……。他にも、ここでは曲に併せて手拍子を入れていたり、開いた足の間でテーブルを叩いてリズムをとっていたり。踊ってる王女に投げキッスして、その王女からアイコンタクトが帰ってくると「ふにゃっ」と笑ってみせたり。誰かと目が合うたびに、キスをせがむように目を伏せて顎を突き出してみたり。ああもう、イチイチ可愛いんだよジーザスってばよぅ! テーブルの上で踊る王女の靴を脱がすときも、いつもはその靴をふわっと放り投げるんだけど、後ろにいるエスコートの男性に「持ってて?」って顔で手渡したりして。予想外の動きなのに、周りのダンサーもそれにちゃんと反応するんだな。面白い。しかしこの王女の足を撫でる手つきも、なにやら前よりエッチな気がするんですけど……。
それから印象的だったのは、ストレンジャーとガールフレンド、王子とどこかの王女がそれぞれペアで踊りながらお互いを意識しているシーン。ガールフレンドは普段、ここで踊り終えてもストレンジャーの腕の中で戸惑ったような顔をしているだけなんだけど、この日のフィオナ嬢はもう最後のほうは泣きださんばかりの表情で、それこそ「ものすごいテクニックの悪い男に弄ばれてしまった処女」みたいな顔をしていた。ダンスのあとは涙を拭う仕草までして袖に駆け込んでいったけど……一体何をしたんだ、ジーザス??
王子とのパ・ド・ドウもこれまで観た中で一番印象深い。思いっきり身体を反らせたところのシルエットがあまりに美しくて官能的で、瞼に焼き付いて忘れられないし。女だろうが男だろうがあっさり陥落してしまうような色っぽい表情で踊っていたかと思えば、王子を翻弄しようとする意地悪な表情が、いたずらっ子みたいで可愛いし。もう……ホントに今まで観ていたジーザスと同じ人ですか? そして三幕フィナーレのダンス対決(?)の楽しそうなことったら! 男性陣をまとめるように頭の上で手を叩いて先導するような仕草を見せたり、踊ってる間もかけ声かけたりして、もう、本当に心の底から楽しくて楽しくて仕方ないといった表情。あまりに活き活きと楽しそうだから、観てるこっちまで嬉しい気分になってしまう。首藤スワンが「徹底的にその場に調和しないことで舞踏会をひっかきまわしたストレンジャー」だとすると、この日のジーザスは「男だろうが女だろうが全ての人間を魅了して味方につけることで、王子にとっての舞踏会を台無しにしたストレンジャー」……って感じか。そりゃもう、見惚れっぱなしだった。完全に。もうあまりにジーザスに釘付けだったもんだから、銃を持ち出すまで王子のことを完全に忘れてた。ごめん、アンドリュー。
ジーザスはあの振付をすっかり消化して、自分の色に染め変えてしまった感じ。明らかにアダムとは違う、自分なりのテンポで踊ってるような箇所もあり、まるで違う振付を観ている気分になってしまった。先週と比べても、たった一週間程度なのにびっくりするほど化けていて……それはもう、さなぎが蝶になった瞬間に立ち会ったんじゃないかと思うほど。ああ、こんな奇跡のような回に最前列で観られるなんて! 幸せ!
そんなこんなで大興奮のうちに、今までで最も体感時間の長かった三幕が終わり、いよいよ四幕へ。やっぱり最初に見た頃より、かなり演技が細かくなってる気がする。最初に観たときは傷ついてることすら解りづらいくらいだったけど、ばったりとベッドの上に手を投げ出す様子とか、もう、すっかり弱ってる感じが伝わりやすくなった気がする。今にも泣き出しそうな表情で王子を抱きしめるところにはぐっと来た。王子が死んだと思いこんで大きく叫ぶところでも、まるで嗚咽するように肩を震わせていたり。この辺、ずいぶん細かい演技をするようになったんだなぁ、と思ってちょっと感心。それからぐったりした王子を子白鳥が抱いてる前を移動するところでは(アダムは確か王子を抱く白鳥をしっかり見据えていた気がするんだけど)、ジーザスはもう、気持ちは王子を守ろうとしてるんだけど、傷付きすぎて意識がもうろうとしていて、目もはっきり見えてない状態……って感じで、王子を見ることすらできずにふらふらしてるのだ。ああもう可哀想! でもそんな状態になっても、泣きそうな顔をしながら王子を守ろうとする健気さが、愛おしいくてたまらないのだけど。なんていうかもう、この日は過去最高に甘口でロマンティックな終わり方をした気がする。
それにしても、あまりにジーザスがラブリー過ぎるので、感動して泣くのも忘れてずっとドキドキしっぱなしだった。25日のアダム&ベンが「最も泣いた日」で、28日の首藤&トムが「最も衝撃的だった日」だとすると、この日のジーザス&アンドリューは「最も観ていて楽しい日」だった。カーテンコールでも満面の笑顔で笑ってるジーザスを見ていたら、筋肉痛になるくらいの勢いで拍手するばかりか、思わずブラボーまで叫んでしまった(でも、すでにその時には客席中大歓声だったので、きっと聞こえてなかったんじゃないかと……)。あまりに集中して観ていてあまりに興奮してしまったがために、カーテンコールが終わった瞬間にその場にぐったりと座り込んでしまった。なんかもう一気に腰が抜けた気分。「もういい……今日が千秋楽でいいよ……」とか言いながら友人とふたりであまりに長いことその場に脱力していたので、さて帰るかと腰をあげたときには客席の大部分がハケた後だった。ああ、なんでみんなそんなに簡単に帰れるの? 腰抜かしてたのはアタシだけ?
▼2003.04.06昼のキャスト表
ザ・スワン/ザ・ストレンジャー:ジーザス・パスター
王子:アンドリュー・コルベット
女王 :マーガリート・ポーター
執事:リチャード・クルト
ガールフレンド:フィオナ=マリー・チヴァース
幼年の王子:ギャヴ・パーサンド
スワン:ジョディ・ブレミングス, ジョン・チュウ, キム・アムンドセン, サイモン・カレイスコス,
ライアン・ジェンキンス, サイモン・ハンフリー, ゲイリー・クラーク, ニコラス・カフェツァキス,
マイケル・バッド, ボブ・J・ハームス, ルーパート・トゥーキー, サイモン・ウィリアムス,
ダミエン・スティーク, クリス・キーリー
アンサンブル :ヘザー・ヘイベンス, トレイシー・ブラッドリー, ピア・ドライヴァー, ローリーン・ディルテイル,
エマ・スピアーズ, オリアーダ, キャサリン・フラワーズ, ケイティー・ゲイプ,
ジョディ・ブレミングス, ジョン・チュウ, キム・アムンドセン, サイモン・カレイスコス,
ライアン・ジェンキンス, サイモン・ハンフリー, ゲイリー・クラーク, ニコラス・カフェツァキス, マイケル・バッド, ボブ・J・ハームス, ルーパート・トゥーキー, サイモン・ウィリアムス,
ダミエン・スティーク, クリス・キーリー
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